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米カリフォルニア大学バークレー校に所属する心理学者、キャメロン・
アンダーソン氏は、周囲からの「尊敬」が幸福の大きな鍵という
研究結果を発表しました。
Money Really Can’t Buy Happiness, Study Finds
Happiness tied to respect, influence, not wealth
方法は、12グループ・80人の学生を対象に聞き取り調査を行い、仲間から
尊敬されている度合い、周囲の格付け、まとめ役としての立場、家庭の
収入などについて情報を集め、社会的な幸福感をそれぞれ比較しました。
学生の幸福感は「仲間内で受け取る賞賛」と関連しており、富や
収入とは無関係という結果であったようです。ちなみにMBA学生を
対象とした別の調査でも、同じ結果となった模様。
アンダーソン氏によると、高収入や富が幸福につながらないのは、
富裕な状態に人はすぐに慣れてしまうため、ということです。
確かに、「お金」や「物」の幸福感は、手に入れた時がピークで
あとは、日常に同化していってしまう印象はありますね。
このような「慣れ」を生じない幸福の鍵は、周囲からの尊敬という結論
はよく分かる気がしますね。
コミュニティーが経済の出発点となる
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この結果からも、「21世紀のコミュニティー経済の発展」という文脈も
よく分かってくると思います。幸福の鍵は他者からの尊敬とすれば、
それをもたらしてくれるのは、世帯あたりの人数が現象したが「家族」
でなく、人間を「機能」としてしかみない「企業」でもない。
今注目を浴びる、地域のコミュニティー、ボランティア活動のグループ、
趣味のコミュニティーであり、それが広がった事業型NPOやソーシャル・
ビジネス、また企業で言えば関係者や顧客のコミュニティーにあるという
ことです。
これからは、「市場から」ではなく、「コミュニティー」から発想して
価値を作り、その価値は、相互につながったコミュニティーを通して伝播
します。これは、もう多くの人が「うん、分かる、分かる」と頷けるくらい
普通になってきているように思います。
つまるところ、「お互いが尊敬しあえるコミュニティー」を作れるところが
新たな経済圏を生み出していくことになる、と言えますね。