米国で人気のブルーボトルコーヒーが今年10月に東京の清澄白河にできるということで話題を呼んでいます。
そして、こちらはそのブルーボトルコーヒーで修行をした二人が開いたサンフランシスコ発の「Sightglass Coffee」。店内は、コーヒーが入れられていく過程を全てオープンにしています。クッキングエンターテイメントの要素あり。
注文されてから1杯1杯丁寧に入れられていくことはもちろん、その豆にも徹底的にこだわります。農家とコーヒー豆の栽培について研究を重ねていくので、毎年毎年より進化したコーヒー豆が収穫できます。
そして、その自信とともに契約している生産農家の名前が書かれたコーヒー豆が販売。
「なんでもオープンに」ということで、コーヒーの入れ方も様々な動画で丁寧に説明してくれています。ちなみに、こちらのカフェには、TwitterやSquareの創業者ジャック・ドーシーが出資しています。
V60 Brewing Guide from Sightglass Coffee Roasters on Vimeo.
スタバやドトールなどの大手カフェチェーンに、セブンコーヒーのような思いがけなところからライバルが登場。また更に、個店の良さをそのまま残しながら進化し続ける新興カフェが今、世界中で広がりを見せる中、この業界も新たな時代に突入していきそうです。
About Sightglass Welcome Video from Sightglass Coffee Roasters on Vimeo.
こだわり続けることで開かれる道程
「こだわり」
職人文化が浸透している日本において、「こだわり」とは、私たちは日常において普通に使う言葉です。
日々の持ち物にファッション、そして、今回のようにコーヒー好きの人は何かしら自身のこだわりを持っている人も多いでしょう。コーヒーが好きな私自身もその一人。
これまで、ビジネスの文脈は非常に”粗いもの”でした。例えば、「良いものを作っても、売れなければ意味が無い」という類いの言葉が、揶揄として当然のように言われてきたことはその典型です。
また職人という言葉も、「ちょっと頑固で周りの言うことを聞かない人」という意味で使われることもしばしばあり、「製品よりも営業力」という雰囲気がどの業界も何とはなしに漂ってきました。
しかし、今、この「こだわりによる日々の進化」こそが大切だと言える世界に、真の意味で突入しているように思います。ビジネスの世界、チェーン店の世界においても、この規模拡大とともに「仕方なし」と妥協する姿勢は通用しなくなるのでしょう。
いつ入れたか分からないコーヒーを注がれたり、ビニールパックから食品を出す動き…嫌ですよねぇ〜…。
ブールーボトルコーヒーの創業者であるジェームス・フリーマン氏が、「コーヒーで世界を変えようと思ったことは一度もありません。ただ、目の前にあるもの、目の前にいる人を少し幸せにする、その積み重ねだと思っています」と答えたところに、今再び深い意味を感じ取ることができます。