SocialDesignSalonでは、新しいキャリアモデルを構築している人が続々と生まれています。佐久間さんは、農業機械メーカーのエンジニアであり、利き酒イベントをご自身で主催され、サロン内の甘酒プロジェクトの立ち上げに関わられています。今回は佐久間徹志さんがどのようにしてキャリアモデルを作られているのかを教えて頂きました。
キャリアパーツは、「キャリアモデル」を構築するひとつのモジュール(仕事/プロジェクト/職業)であり、これからは、キャリアモジュールの組み合わせにより、創造的かつ生産的な個のキャリアモデルを構築する時代です。
Q.まず、今までのキャリアについて教えてください。
佐久間:OA機器メーカで主に機械系エンジニアとしてプリンタの研究開発設計を11年、その後世の中でより必要とされていると自分が感じた農の分野に関わる為に農機メーカで農機の開発設計に2年半従事しました。
農機メーカ在籍中に、農機メーカとして働くにおいても、自分のキャリアに置いても、これから必要なのは自分で事業を創れる技術、作った経験であると考えたため、オンラインのビジネススクールで事業創造、戦略、マーケテイング、会計財務を農業技術、農業業界について学校で1年間学んびました。
また仕事の傍ら、「利き酒エンタメプロジェクト」と「疲労回復 甘酒」を進めています。
どちらも好きで実施しているのですが、利き酒(主に日本酒を取り扱ってます)も、甘酒も稲作産業と関わっているので、農業に関するキャリアになっています。
Q.なぜ、農業を中心にしたキャリアを作られているのでしょうか。
佐久間:農業に関心をもったのは社会人になってからです。趣味でよく海外によくいくのですが、毎年タイの山岳民族に劇をしにいっていました。山岳民族は農業で生計を立てているのですが、彼らから農業で食べていくのが大変だという話を聞いて、何か農業で貢献できないかと思ったのがきっかけでした。
農業は、その土地に住む人たちが作物を作り、人を土地に根付かせています。そして、ずっとそこにいることで、その土地の文化が生まれ、受け継がれていきます。農業で稼げなくなると、都会へ移住し、文化が消失してしまうことになるのは、とても残念です。
これは海外だけではなく、日本でも同じだと思っています。私は、日本・海外とはず、農業に貢献していきたいと思っています。
Q.農業でどういうキャリアモデルを構築したいと考えていますか?
佐久間:農業に貢献するために、ふたつのキャリアの方向性があると思っています。ひとつめは、農家がちゃんと作物を作れる、生産の確実性をあげることだと思っています。いまの農機具メーカーで実施していることはこの課題を開発・研究がこのキャリアですね。
社内には、農業に貢献したいから転職してきたという人も多くいますね。もうひとつは、農家がちゃんと作物を作れるという前提のもとで、農家が作った作物を適正な価格で、生活できる分を確実に販売できることだと思っています。
これからは、農家の販路を作るほうが重要になっていると思っています。作ったものが売れないと、農家は作物を作ることに手をかけれなくなります。農家の販路を、ちゃんと提供できるようなサービスを生み出したいです。
販路があると、今年がどれくら売れるかが予測がつき、今年いくら投資できるかが予測がつけやすくなるので、技術や機器、人の雇用にもつながっていと思います。
「利き酒エンタメプロジェクト」や「疲労回復 甘酒」などのプロジェクトを進めているのは、農家の販路を作っていくためキャリアだと思っています。
Q.なぜ、利き酒イベントを主催されるようになったのですか?
佐久間:きっかけは、知人の薦めで「日本酒」が好きになりました。ただお店に飲みに行っても値段が高く、自分が飲みたいお酒が置いていませんでした。よって、自分が日本酒を選ぶ楽しさや飲む楽しさを体験するため、そして、他の人にもお酒の味を楽しんでもらうために主催するようになりました。開催動機は単純に好きだったからですね。
利き酒イベントとして、自分の周りだけで開催していましたが、いまは「利き酒エンタメプロジェクト」として、新たな農家の販路になるよう進めています。今は、イベントを実施などを実施しており、行動しながら考え続けることで、新たな販路の実現に向けて新しい価値や発見を得たいと思っています。
Q.キャリアを構築する上で、心がけていること
佐久間:キャリア構築を考える前に、自分が何に興味があるのか、何が好きか、何を解決したいのかを考え、面白いと思ったことは、すぐに調べたり体験することが大事だと考えています。
そのうえで、好きなことをプロジェクト化するためには、経営する上で必要なスキルや、現場の知識経験などを幅広く取得する必要があると思っています。また普段から、農家とどうかかわるか、農家が売れるようにするにはどうするかを考えています。
Q.現在のキャリアモデルを構築するにあたり、ぶち当たった壁とそれをどう乗り越えてきたか?
佐久間:正直まだ壁にぶち当たったという実感があまりないですね(笑)キャリアではないのですが、日本のモノづくりの会社の多くは、プロダクトアウトが中心だと思います。私はプロダクトを作ってるだけでは差別化できず、顧客の課題まで踏み込めていません。
たとえば、農機具メーカーは、生産に関わるヒアリング・調査はしますが、生産した作物の販売状況まで踏み込むことはありません。これからのものづくりの企業も、どういう課題を解決できるかを考え、売った後も考えたサービスを作らないと駄目です。
すでに農業スタートアップや、農薬メーカーなどは、販路まで考えたソリューションとして入り込んできています。私は、「利き酒エンタメ化プロジェクト」「疲労回復 甘酒」を通して、ソリューションとして農家に提供できるサービスにしたいと思っています。
Q.SocialDesignSalonは、キャリアモデルを構築するうえで、どのように役立っていますか?
佐久間:キャリアモデルを構築する上で自分が持っていない知見、強みをサロンメンバーが持っているので補完関係ができています。サロンメンバーとは、現実的な思考と未来志向両方を持ち合わせながらディスカッションできます。
Q.キャリアモデルについて、今後の展望を教えてください。
佐久間:いまのキャリアパーツ一つ一つの質を高めていくことが、キャリアモデル全体を進化させることに通じていると思っています。
Social Design Salon では、サロンに集まったメンバーが、新たな価値を生み出し、人生100年時代のキャリアモデルを構築し、事業を生み出せるように支援をしています。ご興味のある方は、こちらからご参加ください。