オックスフォード大学マーティンスクールにて「コンピューター(ロボット化)の影響を受けやすい未来の仕事」に関する調査レポートが発表されました。
THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?
これからの20年で、現在のアメリカの雇用の半分は、コンピューターに取って変わられる可能性が高いとしています。
上のグラフは、右に行くほどコンピューター、ロボットによって仕事が行われる可能性が高く、左にあるほどコンピューター化の可能性が低い仕事となります。
例えば、物流、営業、事務及び秘書業務、サービス業、製造業などは、コンピューターによって代替される可能性の高く、一方、経営、財務、エンジニア、教育、芸術、ヘルスケア業務などはコンピューターによる影響は少ないとされています。
具体的に約700にも及ぶ職業にランキングがふられたので、コンピューターによって代替される可能性の高い仕事TOP20とコンピューターに代替されにくい仕事TOP20を拙訳でご紹介します。
まずは、コンピューターによって代替される可能性の高い仕事TOP20から。
680位 調達事務員
681位 パッケージング&充填機械オペレーター
682位 銅版画工と彫刻師
683位 受付、レジ係
684位 スポーツの審判
685位 保険鑑定士
686位 融資担当者
687位 オーダーを受けるスタッフ
688位 仲介スタッフ
689位 保険の集金者
690位 組み立てラインスタッフ
691位 データ入力者
692位 図書館技術者
693位 新規顧客アカウント作成スタッフ
694位 写真処理労働者及び加工機オペレーター
695位 税務申告者
696位 貨物の荷積みスタッフ及び代理店
697位 時計の修理工
698位 保険引受け業務
699位 数理技術者
700位 裁縫師
701位 タイトル審査・調査
702位 電話営業
単純・作業的な仕事はことごとくロボット化されていくことでしょう。続いてコンピューターに代替されにくい仕事TOP20。
1位 レクリエーションセラピスト
2位 最前線のメカニック、修理工
3位 緊急事態の管理監督者
4位 メンタルヘルスと薬物利用者サポート
5位 聴覚医療従事者
6位 作業療法士
7位 義肢装具士
8位 ヘルスケアソーシャルワーカー
9位 口腔外科
10位 消防監督者
11位 栄養士
12位 施設管理者
13位 振り付け師
14位 セールスエンジニア(技術営業)
15位 内科医と外科医
16位 指導(教育)コーディネーター
17位 心理学者
18位 警察と探偵
19位 歯科医師
20位 小学校教員
いかがでしょうか。クリエィティブで、接触的、人間的で繊細な部分を扱う仕事は残るということでしょう。今後も、このような調査は世界的に行われていきそうです。
ワークプロセスの文明的大転換期
今週9月28日に発売される拙著に詳しく記していますが、現在は「文明的な『ワークプロセス』の大転換期」にあります。
今回のオックスフォード大学の調査は「コンピューター(ロボット)」というところに焦点があわされていますが、現在はそれだけでなく「雇用」や「働き方」に影響を与えるシステム、サービス、コンセプトが世界的に広がりを見せています。
それは、クラウドファンディング、クラウドソーシング、デジタルファブリケーションなどを含めてです。
リーマンショックが起こった2008年。100年に1度の大恐慌と言われ「文明的な転換」が叫ばれました。あちこちで「今は、400年、500年に一度の文明的な転換が起こっている」と言われましたが、実際のところ「何がどう変わるのか?」というビジョンは見えないまま。
確かに、これまでの延長の世の中が続いていくとは到底思えませんが、その先にある「具体的な絵」が見えないままでした。
しかし今、やっとそれが見え始めてきました。1つ1つを取り上げれば、単なる「スタートアップ」「ムーブメント」「事業モデル」という見え方をしていますが、つなぎ合わせると見事に「ポスト近代社会の新しいインフラ」であることが分かります。
より理想的な「新しい働き方」を実現しやすい環境が整いつつあります。文明転換は、具体的な「働き方の転換」から始まるのです。さあ、いよいよ新しい時代の到来です。
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