私たちの働き方の選択肢に、大きなインパクトを与えそうな仕事旅行さんの次の一手が素晴らしい。
仕事旅行は、日本中の仕事を大人が体験できるサービス。分かりやすく言ってしまえば、大人版キッザニアです。「伝統技術ディレクターになる旅」「ご当地キャラになる旅」「ジュエリーデザイナーになる旅」など興味深い旅が続々と登場しています。
そんな中登場した「ちゃんぽん職人になる旅」は、これまでにない目的がその背景にあります。この旅、実は「後継者を見つける旅」なのです。
長崎市街から車を走らせること1時間。日本一の湯量を誇る温泉地として栄えた小浜町の名物料理は、「ちゃんぽん」。この町で60年以上に渡りちゃんぽんを作り、地域を支える人気のお店だった「蛇の目」が、店主の年齢と後継者不在のため今月25日に閉店をしてしまいます。
http://obama.or.jp/modules/taberu/index.php?lid=7
そんな中、なんとお店のファンが、このお店をなんとか残したい!という相談を仕事旅行さんに持ちかけて、結果、後継者を探すための「ちゃんぽん職人になる旅」がリリースされることとなりました。
後継者は、机に座って面接するだけでは見抜けないでしょうからね。短い時間でも、実際に一緒に働いて、時間を過ごして分かることはきっと多いでしょう。考えれば考えるほど、素晴らしい取り組み。
「ちゃんぽん職人になる旅」では、蛇の目の味の習得、飲食店経営のイロハと地域で人気店になるためのコツを知ることができます。
ちゃんぽんが大好きな人、食で人を幸せにすることに惹かれている人、また夫婦で一緒の仕事をしたい人にピッタリ!ということですが、仕事旅行の代表・田中さんがブログで曰く「申込み殺到!」のようでして、キャンセル待ちの列がズラリと並んでいる模様。
いや〜、それにしてもこういった目的の旅は、今後たくさん登場してきて欲しいものです。
小規模事業の後継者をマッチングする意義
http://souzoku.i-nex.co.jp/info_blog/2013/12/5.html
中小企業白書から分かること。それは、小規模企業の廃業理由の半分以上は、後継者不足だということです。
そんな背景があるので、「ちゃんぽん職人になる旅」のような後継者探しの旅は、この地域経済の問題にダイレクトに響く施策となりそう。まさに、顧客良し、地域良し、お店良し、後継者良しの四方良しの取り組みです。
もちろん、その事業における将来性、また地域の人口減少など、不安な要素もたくさんあるでしょう。しかし、現代において10年、20年盤石、安泰と言える職業など、存在しうるでしょうか。
産業が根本からひっくりかえるような技術革新、ロボットの台頭、財政難に苦しむ国家や自治体の方針の転換など、不安要素を考えれば切りがありません。
今、私たちに必要なこと1つは、自身が生涯続けていきたいと強い使命感を感じられるものを持つこと、またどんなにつらい厳しい夜も、明けない夜はないと歯をくいしばってでも進めていこうと思える何かを持つことではないでしょうか。
それは、人それぞれ状況・環境が違うので、本業になる場合もあれば、パラレルキャリアで進める何かの活動かもしれません。いずれにしても、その中で、自身が血縁関係のない地域のお店の後継者として、精進していくという選択肢があっても良いと思うわけです。
後継者不足に悩む店主、また、店主の高齢化でお店がなくなるのは悲しい!と思われる方、是非、一度仕事旅行さんにご連絡してみてはいかがでしょうか。