こんなお店も登場してきている。米国のオレゴン州ポートランドの非営利醸造所「Ex Novo」は、飲食事業から生まれる利益の100%を寄付する。
ここで疑問に思うことは、「今後会社が資金的に困った時に、どうなるか?内部留保がなければ、新たな投資もできないではないか」ということだろう。
ここに関しては、当然クラウドファンディングが考えられる。利益は寄付するという徹底した方法は、社会に広く応援者を生む。更に、本当に美味しい料理とビールを提供し、地域から愛されているとするなら、何かがあった時には、クラウドファンディングである程度の資金を集められるはずだ。
ただでさえ飲食店の経営は、簡単ではない。初期投資の大きさ、在庫リスク、一人当たりの粗利額の小ささ、様々な問題で経営は楽ではない。
よって、飲食店は日本中のあちこちで、できては潰れ、潰れてはできていく。もちろん、予約だけでいっぱいになってしまうような繁盛店がないわけではないが、その数は全体の割合からして、ほんのほんの一握りである。
そんな中で、Ex Novoのような店舗がこれまでになかった新たな経営モデルを提示するかもしれない。地域になくてはならないインフラ、社会的インフラとしての飲食店だ。より広い意味で飲食店が評価され、そのお店がなければ困る、という人達がどれだけいて、それを支援したいという人がどれだけいるかが問われるのだ。
味の善し悪しはもちろんのこと、そのお店のミッションや経営スタイルに、より目が行きやすい時代となっているのは確かだ。今後も注目していきたいお店である。
【クエスチョン】
・味良し価格良し、そして地域にも社会にも良し!というこれまでにない飲食店コンセプトを考えてみよう!