手法ではないものの価値が上がっている。
事業を機械と捉える機械論的事業観がある。その先にあるものは、完全自動化会社であり、それはそれで価値はある。
しかし、今後尊敬される価値の高い事業は、生命論的な展開を体得している企業だ。組織論だけではなく、事業も生命論的世界観の中で作り上げていける。
では、情報爆発するこのような複雑極まる世界の中で、何が大切となるのか。その1つは目的の質である。
あらゆる知識や道具は、共有する目的への貢献によって価値を持つ。
また問いの質さえも、目的の質に引っ張られていく。的確な問いさえあればAIが答えを導き出せることは少なくない。しかし、この問い自体は、AIが作るべきものではなく、人間が作るものだ。
ただその良質な問いというものを作ることが、簡単ではない。また問題が複雑であればあるほど、その問い自体も1つではなく、立体的に複数あることも多い。
答えが出ない時、または答えの質が悪い時、それは往々にして、問いの質が悪く、そこに立体性が欠けている時だ。
それらを高める方法の1つは、目的の次元をあげること。目的の質の向上は、問いの質と立体性を高める。
『目的の質によって、知識も道具も、問いさえも規定される事態』と真摯に向き合っていることに、重大な価値が生まれている。