2014年9月、GEが白物家電部門をスウェーデンに本社を置くElectroluxに売却したことは、大きな話題を呼んだ。
このElectroluxは毎年、次世代製品開発のためのコンテストを行っているが、2014年に見事優勝した製品は、バーチャルハンティングをして、食品を調達するキッチンデバイス「Future Hunter Gatherer」だ。
このような薄い丸型のカタチをしたデバイスで、中央のボタンを押すと…
食材を選択するためのディスプレイが出現する。そこで「魚」を選択すると…
このように空間に魚が出現し、泳ぎ始めるのだ。
その魚を追いかけて、子供達が指定のデバイスでハントする。
捕った魚は、スマホのアプリに連携し、その場で注文をすることができる。
食材しか見たことのない子供は、”切り身の魚”が海を泳いでいると思ってしまうことがあると聞く。ゲーミフィケーションのもたらす”楽しさ”はもちろん、食育という意味でも興味深いデバイスだ。
更に、届いた食材が実際は、どこの海でどのように苦労して捕られたものなのか?まで、動画等で説明がされると良いように思う。いずれにせよ、登場が楽しみな製品だ。
VRと身体性の高度な融合がもたらす巨大な価値
PHOTO: The Gamer from Shutterstock
以前、ジェットコースターの動きに合わせて作られた仮想空間と、実際のジェットコースターに乗った時の体験を融合させるVR coasterについてご紹介した。
【参考】
・Oculus Rift × ジェットコースター!「VR coaster」にみる現実と仮想空間の融合の可能性
バーチャルリアリティーが、身体性と融合し、ハイブリッド型の体験を提供することができれば、そこに巨大な価値が生まれると書いたが、まさにその序章とも言うべきプロトタイプが、目を惹くようになってきた。
VR技術を利用した、様々なソフトウェアやUIが登場するだろうが、その肝となる部分は”身体性”へのアプローチとなり、この領域に関しての議論は、今後活発に行われていくことになるだろう。
総合的な経験やその印象、たった一度きりしか起こらないかもしれない体験、つまり身体性を含んだ心及び一回性の問題にも、目を向けることが重要になっていく。それは、”人間とは何か?”という根源的な問いに迫らなければならないことも同時に意味する。
ここは、これまで芸術や哲学で扱われる分野であったが、科学やテクノロジーの世界観の中でも、今後は見過ごすことのできない重要な課題となる。この大問題にテクノロジーも誠実に立ち向かって欲しいと願うばかりだ。