食品メーカー・クノールが、ブラジルで興味深いマーケティングキャンペーンを行っている。
COMO PARTICIPAR DO RECEITAS DE FAMÍLIA
それは、祖父母などが残してきた”家族の味レシピ”をデザインして、インフォグラフにするというキャンペーンだ。
方法は至ってシンプルで、手書きで残されているレシピの写真を撮り、クノールのTwitterアカウント@KnorrBrasilに向けて、ハッシュタグ#receitasdefamiliaで、ツイートするだけ。すると、そのレシピを次のようなデザインに仕上げてくれる。
マーケティングポイントとしては、食材の1つ以上をさりげなくクノールの食材とするところ。
冷蔵庫の側面に貼られているような手書きのレシピを、かっこいいポスターにして長く利用してもらえるようにする、なんとも粋なマーケティングだ。
思い出をパッケジー化する価値
PHOTO: Christmas presents with red ribbon on dark wooden background in vintage style from Shutterstock
人間は記憶の動物であるがゆえに、思い出とともに生きている。そして、その思い出は、パッケージ化されることによって新たな価値を生む。
例えば、Facebookを眺めていると、この時期、自分新聞という投稿を目にする。これは、1年間の自分のFacebook投稿から、いいね!の多かった投稿を並べたり、よく使っているキーワードなどをまとめてくれるサービスだ。
日々、何気なく投稿している日常も、このように”1年”という切り口でパッケージ化されることで、自身の歴史を強弱をつけて俯瞰することができる。
私たちは、常に”今”を生きるしかなく、その次の瞬間に、今は過去となり、未来は今となる。その連続の中で私たちは存在しているのだが、その思い出は、うまくパッケージ化されると輝きを増し、結果、私たちに生きる力を与えてくれるものだ。
クノールのマーケティングにしても、古びたメモが新たな装いとなることによって、違った命を得る。私たちの思い出に力を与えてくれるようなサービスやマーケティング方法は、今後も注目を集め続けていくことだろう。
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