その対象物に隠れている、時代との関係性の秘密を解き明かそうと努力する。今は、あらゆる事態においてそれをやる必要がある。つまり、隠されている宿命を自ら探り当て、そこから目をそらさないことが大切だ。
なぜ、そんなことまで考えなければならないかというと、現代はその業界、会社自体を一気に破壊するテクノロジーが生まれる可能性があるからだ。
事業もプロダクトもサービスも人間も、抗えない何かに直面する時がある。暗闇に遭遇し、一歩も身動きがとれないような時もあるだろう。
しかし、本当の問題はそこからだ。その際の立ち振る舞いをどうするかだ。抗えない何かと真っ向勝負する中で、会社も人も何かを掴む。事態を解釈し直すことで、力を抜くよりも、宿命を使命と言えるところまで昇華し抜くよう、時間をかけてもいいから取っ組み合うのだ。結果、暗闇の中にも必ず一筋の光は見えてくる。
今は光り輝いて見える新たな事業やサービスも、宿命的に抗えない何かを常に含んでいる。どんなに完璧だと思えるようなサービスでさえ、時代との秘密の関係性を全て考慮に入れることはできない。
しかし、突如として現われる、その宿命ともいえる事態への対処の繰り返しの中で、つまりピボットの繰り返しの中で、いつかそれは宿命から使命と言えるような深化を遂げることができる。
もちろん、リンゴはリンゴであり、オレンジはオレンジだ。リンゴがオレンジになりたいと言っても、それは残念ながらなれない。しかし、リンゴ側に変に頑固な意思がなければ、アップルパイにもなれるし、クッキーにもなれるし、サラダにだってなれるのだ。そう考えると問題は常に、環境というよりもこちらの内面にあるということに気付く。
次世代ビジネス&働き方を一緒に生み出そう
Social Design Salon