日は昇り、ゆっくり沈んでいく。そんな一貫性、連続性の中で、私たちは数かぎりない一回性を経験する。その経験は、いつも小さな、時に大きな感情に満ちている。
気付きにくいかもしれないが、食事をするだけでも、そこにはたくさんの情緒の起伏が存在している。メニューを選ぶときの小さな迷いや料理が熱くて火傷しかける軋轢、美味しいという至福の感覚や、もう少し食べたいという小さな失望も混在している。
あらゆる経験の中に、これらが細かく複雑に内包されている。そして、それらは、時間の中で感覚的に統合されていく。経験は複雑性を伴ってこそ完結するのだ。結果的に、人は、成長をしていくことになる。
その複雑性は、大きいほどに可能性に満ちている。混濁した複雑の中には、生命的な大きなエネルギーもが宿っている。
この軋轢や喜び、楽しみや失望は、どんなことが、誰が、機縁になるかは分からない。しかし、1つ言えることは、その全部が自身の経験の成長を支えているということだ。その全体の統合の中で、人は、成熟していく。
そこが感覚的に分かっている人は強い。一人立ち、人生という荒野を、静かに、しかし力強く歩むことができる。自分の前進を阻害する何かさえも、時間とともに自身へと統合させ、エネルギーに変えることができる。
この複雑で愛おしい経験たちを胸に、たった一度きりの人生を歩んでいこう。
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