“家にある鏡”で、通知や天気予報、ニュースから玄関のセキュリティカメラまで見れる。Glancrでは、高度なプログラミングなしで、部品さえあれば、なんと自分でスマートミラーが作れるようチュートリアルが公開されています。
実際に鏡を目の前にしたら、スマートというよりは「洗練された美しい」鏡といった印象の方が強かったのが正直な感想。ベルリンにある彼らのオフィスを訪ねたインタビューも交え、ご紹介します。
オープンソースならではの「強み」
彼らが開発した「Mirror OS」(日本語にも対応)の特徴は、プログラミングいらずの直感的操作。カレンダーやSpotify、Todoリスト、電車の運行情報まで生活に便利な機能が揃っています。機能の追加や削除はスマホでもOK。
左から:Tobias氏、Gordon氏
ーーオープンソースで開発されている理由はなんでしょうか?
Tobias氏:プロジェクトを始める時に戦略を考えたんだけど、僕達のような3人チームで、あらゆる機能をテストする事はできない。でもオープンソースにすれば、何かを作りたいと思う多くのユーザーが機能をテストしてくれるんだ。
個人的な使用なら自由に使って欲しい、その代わりどんなアイディアがあるか、何か問題はないか、使い方はちゃんと分かるか?それを教えてねってことだね。
Gordon氏:多くのユーザーがこのソフトウェアを大きくしてくれる。基本となるOSを使って、自分でコードを書いて機能を追加してもいい。開発者はソフトウェアが大きくなれば自分のブランディングにもなるし、ユーザーが増えれば話題になって、どんどん広まっていく。マーケティング費用の削減にもなるからね。
ーーどれくらいユーザーがいるんですか?
Gordon氏:25,000人くらいがサイトからダウンロードしているね、それで約800のミラーが今のところは稼働しているみたい。
専用OSをダウンロードして、SDカードを差し込むだけ
ーーん〜作るのはホントに簡単なのでしょうか?
Gordon氏:ラズベリーパイ(小さなPCのようなモノ)を使うんだ。SDカードにMirror OSを入れておいて接続、あとはディスプレイと繋いでスイッチを入れて、家のWiFiに接続したら完了!
こちらがラズベリーパイ
ーーラズベリーパイは高額なのでしょうか?
Gordon氏:40ドルくらいですね、もっと探せば安い製品もあると思うよ。
お、意外と高くないようです。そして上の画像が操作画面。表示したい機能の順番もドラックして項目を動かすだけでOKなんだとか。
ーー現状の課題は何でしょうか?
Gordon氏:ソフトウェアは問題ないので、実際に製品化してくれる企業を探しています。ドイツでは法律が厳しくて、なかなか販売が難しいのが現状なんだよね。
ーー公共施設には導入できたりするのかなと思うのですが・・・。
Tobias氏:そう願いたいね(笑)ドイツではかなり厳しいかな。ホテルとかレストランとかBtoBの方が少し簡単かもね。情報を簡単に届けられるので、広告の可能性もあるね。やることはたくさんだけど、できると考えています。
ーー販売予定価格はありますか?
Gordon氏:今のところはありません。ただ高品質な製品でロングライフなモノにしたい。 各部品の価格やパートナー企業によって値段が決まってくるかな。
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プログラミングいらずだったり、OSから開発したり、オープンソースで始めたり。これからの事業を考えるヒントが詰まっていました。ちなみに商品名のGLANCRは「ひと目見るだけ」でいい。そんな由来だとか。気になる方はこちらからOSのダウンロードができます。日本への展開も気軽にFBから連絡してね!だそうです。
ライター&キュレーター
小檜山 諒 フリーランスライター&キュレーター
世界中の面白いアイディアを集めたブログを運営中。「問いが変われば、答えも変わる」を信じて、アイディア発想など研究しています。ハッとさせられるようなアイディアが大好物。アイディアデザインコンサルタント。モットーは「LESS IS MORE」