高さ約90mの崖にお店が…。半分冗談であり、PR用のポップアップショップのように見えるかもしれないが、そうでもない。ロッククライマーにとって現実的に有り難い存在だ。
「37.5 Technology」は、特殊な素材により、寒いところでは温かく、暑いところではひんやりと、人間の芯の体温を理想的な37.5度にするためのウェアを販売するブランドだ。
そのブランドが、ロッククライマーのための世界一過酷な場所にポップアップショップを開いた。その名も「Cliffside Shop」
ロッククライマーの体温は、天候によって大きく左右される。高山へと登るその体温は、いつも不安定であり、その調整の不備は命取りにさえなりかねない。しかし、37.5 Technologyが提供する衣類を身につければ、いつでも体温を理想的な状態にもっていくことができる。
冷たい風に吹かれて、身体が冷えてしまっても安心だ。こんなところにお店があって、温かく迎えてくれるのだから。
購入経験としても、これはオンリーワンだろう。人に会えた嬉しさもあり、思わず購入してしまう可能性は高いのかも。
普通の人が見ると、着る体験そのものもスリリングだ。
顧客の実利と世界へのPR、両方を掴んでいる好例だ。なんでもAmazonの方が購入しやすい、お店だから不便だという訳でもない。また、単なるマーケティングという話だけでもなく、これからの「あり方」を考える上でも参考になる事例である。
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