人間を超えるロボットが近い将来登場するか?そして、技術的特異点(シンギュラティー)は訪れるのか?この話題がいよいよ大きな波となって世界中に広がりつつあります。
技術的特異点(シンギュラティー)とは、人類が生み出したテクノロジーが、人類の限界、予測を越えて急激に進展し始めるポイントのこと。レイ・カーツワイル氏は、2029年までに、人類と同じレベルの人工知能が生まれ、2045年までにこの技術的特異点が訪れるとしています。
昨年はこの技術的特異点を扱ったサイエンスフィクション「Our Final Invention」(サブタイトルは人工知能と人類時代の終わり)や「The Last Firewall」(2035年の世界がテーマ)が英語圏で話題を集めました。
Google Glassなどが広がり、ウェアラブルデバイスによる「人類のサイボーグ化」というトピックが注目を集める中、今年も技術的特異点に関する話題に興味関心を示す人が増えていきそうです。
本日ご紹介したいのは、技術的特異点を恐れてはいけない理由と、恐れるべき理由を紹介した記事。
Top 10 Reasons We Should NOT Fear The Singularity
まずは技術的特異点を恐れてはいけない10の理由(メリット)について拙訳、ポイント要約してご紹介。
1、不死
2、生物的限界を超えた自由
3、無限の物的資源と無制限の知能
4、平和と文明的繁栄
5、技術進歩における環境保全
6、「不足」に基づいている資本主義の終焉、「貧困の恐怖」における労働からの解放
7、時空間に制限されない旅行
8、全人生のライフログの保存
9、全てプログラム可能な世界へ
10、技術的特異点について理解し、準備をすることが大切
Top 10 Reasons We Should Fear The Singularity
続きまして、技術的特異点を恐れるべき理由(デメリット)はこちら。
1、人類の絶滅
2、コンピュータが人類を奴隷化
3、前例のない巨大な戦争
4、失業者数の爆発における経済の崩壊
5、権力化する人工知能
6、人類のアイデンティティの崩壊
7、生態系と環境の激変
8、完全デジタル社会におけるデータの喪失は、歴史や文化の喪失も意味する
9、全てがコンピューター化する世界
10、変化への恐怖
いかがでしょうか。考えるべきことが余りに多い…と感じる人も多いかもしれません。
人類文明をより良いカタチでバトンタッチするために
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コンピューターとは何か?人間とは何か?死とは何か?生命とは何か?
これまでは一部の限られた人に向けられていたようなこの問いが、全人類的な問いとして浮かび上がってくるのがこれからの世界です。
技術的特異点とは、決して300年後の夢物語ではなく、技術的に言ってしまえばわずか数十年先のこと。今この記事を読んでいる人のほとんどが体験する近い将来なわけです。
これからこの議論は年々大きくなっていくでしょうし、それを感じざるおえない様々な製品や事業がたくさん登場してくることでしょう。
そういった意味でも「自分には関係ないことだから」と想像しがたいこの世界から目を背けることなく、わずかでもここに思考の一部を持っていく必要のある時代に突入したと感じています。
また、この地球を、そして人類文明を、より良いカタチで次の世代にバトンタッチすること。これは私たちに課せられた重要な仕事の一つでもあります。
最後になりますが、こちらはケンブリッジ大学研究員であるオーブリー・デグレイ博士のTED動画。(日本語字幕表示できます)
書籍「寿命1000年:〜長命科学の最先端〜」の著者でもあり、起業家でもあり、老化防止や若返りの権威として学会の中でもその名を広く知られている多彩な人物です。
彼によれば、「今後、およそ25年以内に医学は老化に対して決定的なレベルに達する」とのこと。つまり、寿長1000歳も夢ではないということです。現実になるかどうかは別としても、自分たちの人生に決定的な影響を与える因子。思考の片隅に置いておきたいことです。
【Social Design Newsから本が出ました】
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」
次世代ビジネス&働き方を一緒に生み出そう
Social Design Salon