今、非営利事業は新たな段階を迎えている。理念が、強烈に人々の心を吸引する時代、非営利プロジェクトはスピード感をもって世界を変えている。この記事では、世界が注目する非営利プロジェクトを厳選してお届けする。
IT系ボランティアと非営利団体をつなぐ「#charity」
「#charity」は、非営利団体とITスキルを持ったボランティアをつなげる。技術者のLinkedInのプロフィールから、ボランティアの技術や興味を分析し、非営利団体のニーズに合わせ、アルゴリズムが自動でマッチングをしてくれる。
NPO×テクノロジーの可能性は、ついに大きく開かれた。ITボランティアのクラウドソーシングサービスが、そのトレンドを加速させる。
【詳細】
・非営利団体とITスキルを持ったボランティアを自動マッチングさせていく「#charity」
食品提供者とフードバンクをつなげる「Food Cowboy」
「Food Cowboy」は、捨てられる食べ物と食べ物が足りない場所をつなぐ「フードバンク」の仕組みをドライブさせる。
農家やレストラン、スーパーやそのトラックドライバーが、安全に食べれるが、廃棄されてしまう食材があった場合、FoodCowboyに連絡をする。寄付できるもの、また今いる場所、移動ルートを報告すると、FoodCowboyから近くのフードバンクの情報や移動ルートが配信される。
米国では、こういった寄付が税控除の対象になるためFood Cowboyは食品提供者に、寄付の電子領収書を発行、送信する。食品廃棄問題を解決するサービスの好例だ。
【詳細】
・食べ物のセイフティーネットを。フードバンクと食品寄付者をつなぐ「Food Cowboy」
スキマ時間で視覚障害者の目になることができる「Be My Eyes」
「Be My Eyes」は、視覚障害者の支援をするための遠隔ボランティアシステム。スマホアプリで、ボランティアが視覚障害者の目となって生活の補助をする。現在サポーターは、17万人を超えている。
例えば、視覚に障害を持つ人が、ビデオチャットで、「どちらがトマトの缶詰?」と聴くと、ボランティアが「右側の方ですよ」と答える。プロフィールには何人の人をサポートしたか、また支援した数に応じてポイントが獲得できる。結果、支援者としてレベルがあがっていくというゲーミフィケーションも導入されている。
【詳細】
・視覚障害支援の非営利型クラウドソーシングネットワーク「Be My Eyes」
修復して再利用するカルチャーを再び世界に広げる「Repair Cafe」
「Repair Cafe」は、壊れたものを修理するため地域のコミュニティイベント。オランダで始まって以来、現在15カ国以上に広がっている。
地域の公民館や空きスペースを使って、電化製品やデスクやインテリア、自転車やおもちゃ、衣類などの修理を行う。修理サポーターはボランティアで、修理方法について教えることも、このイベントの1つの目的となっている。
各国での開催を推進・支援するために、45ユーロでRepair Cafeの開催マニュアルも販売。「修復して再利用すること」は、環境やお財布に優しいだけでなく、地域をつなげる新たなコミュニティも創造する。
【詳細】
・壊れたものを修理する地域イベント「Repair Cafe」が広がっている
利益の100%寄付する非営利タイプの飲食店「Ex Novo」
米国のオレゴン州ポートランドの非営利醸造所「Ex Novo」は、飲食事業から生まれる利益の100%を慈善団体に寄付をする。
何かの投資が必要な時には、応援者からのクラウドファンディングになるのだろう。美味しいことはもちろん、お店のミッションや経営スタイルがより広く評価される時代。非営利系飲食店は、これまでにない興味深いコンセプトを掲げ、世界中に誕生し始めている。今後どのように進化を遂げていくのか注目していきたいところ。
【詳細】
・ソーシャルグッドなビールを飲もう!非営利型醸造所が掲げる経営コンセプト
無料で料理を振る舞う人と食べる人をつなげる「Casserole」
「Casserole」は、食を通して地域のつながりの復活させるプラットフォーム。現代の高齢者は、一人で食事をすることも多い。しかし、食卓を囲む人数が多いほど、食事は楽しいものになる。自ら作った料理を人々に振る舞う喜びは、人生の豊かさにもつながる。
毎週日用日のランチは、近隣の若い人と一緒に食べる。そんな選択肢のある社会は、地域に新たなぬくもりとつながりを生むに違いない。
【クエスチョン】
・ワクワクする非営利事業のアイデアを友人達と話し合い、第一歩を踏み出してみよう!