高齢化が進み、若者の単身世帯が増える中で、日本から見てもこういった取り組みは、興味深い。
「Repair Cafe」は、壊れたものを修理するための地域のコミュニティイベントだ。2010年、オランダで始まったこの潮流は、今や15カ国以上に広がっている。
日常で使っているような電化製品やデスクやインテリア、自転車やおもちゃ、衣類などの修理を地域の公民館や地域の空きスペースを借りて行う。
ボランティアの修理サポーターが、持ち寄られたアイテムを修理していくが、修理方法を教えるということもこのイベントの1つの目的となっている。
ちなみに、各国での開催を推進・支援するために、45ユーロで、Repair Cafeを開催するマニュアルも販売されている。
“買い替える”から、”修復して再利用する”へ。この流れをフォローする世界的な動きは、地道であるが着実に広がっていく。
あらゆる作業をコミュニティイベントに帰結させる
PHOTO: Group of hikers relaxing on top from Shutterstock
人間は、孤独だ。生まれる時も、死にのぞむ時も、究極は常に一人である。
しかし、一方で、人間は一人で生きていくことはできない。どんなに強気な人であっても、その厳然たる事実から、生涯目をそらし続けることはできない。
現代の消費社会は、個を確立し、肯定してきた。そこには、常に自由や自立といった理念が掲げられ、裏の現象である孤立化という部分には、黒い幕がかぶせられてきた。
しかし、深刻なる無縁社会の到来は、格差社会と相まって、その暗闇を一層深めている。結果、そこからの打開策として、Repair Cafeのようなコンセプトも広がりを見せている。
様々な作業を地域で行うというシンプルで気軽なゆるいつながりが、現代の新たな文脈を以て、地域に再び戻ろうとしている。