会社を退職してもいつまでも社会に関わっていて欲しい。それは、経済社会のためというよりも、私たち家族や地域社会のために、そしてご自身の健康と幸福のためにです。
1990年代半ばにオーストラリアで開始された「Men’s Sheds」(男性達の小屋)。退職された方が集まりものづくりをしたり、地域社会の支援をする小さなコミュニティーです。
このコミュニティーは、オーストラリアでは1,100に達し、今国の枠を超えて、世界に広がりつつあります。例えば、ヨーロッパの「Men’s Sheds」も立ち上がっています。
実際にやることは、ペットのための小屋を作ったり、野鳥の巣箱作りなどを地域の子供達と共に行ったりします。また、家具の修理や自転車の修理など、まさに地域に必要な活動を行うコミュニティーです。
もちろん、このような作業を手際良くこなす年配者もいますが、そうでない人もたくさんいます。そこでは、ご年配者が自身の新たなスキル、技術をお互いに教えあい体得する教育の場ともなっているのです。
気軽にコーヒーカップを傾けながら、料理について語ったり、PCやスマホの利用法について勉強したりもするわけですね。いや〜素敵なコンセプト。超長寿社会には必須の地域コミュニティーのように思えます。
超長寿社会に必要なコミュニティーコンセプト
PHOTO: senior man thinking from Shutterstock
現代の60代、70代の方は本当に元気!そう思われている方多いのではないでしょうか。
現代の男性の退職者が日々どのような生活を送っているかというと、個人での盆栽いじりや畑をいじり。男性同士が集まって話したり、地域のコミュニティーに関わっていくということは、かなり少ないのでしょう。
バリバリ社会の一線で活躍しているうちは、地域行事に参加する時間が取れず…。とは言え、退職して今からというのも難しいし…。その気持ちなんとなくですが、分かります。
しかし、そもそもそのような男性が集まることを前提としたコミュニティーのコンセプトはやっぱり良い。地域ごと様々な工夫はされているとは思いますが、この「男性退職者のための小屋」と絞られたコンセプトは、きっと日本にもあった方が良いのでしょう。
3DプリンタやCNC工作機等、デスクトップファブリケーション時代でもありますし、「Men’s Sheds」のようなところから、イノベーティブな動きが出てくるなんていうことは容易に想像できます。
日本でも、このコンセプト、始まって欲しいですね。