こんにちは。シゴトクリエイターの大橋です。気づけば3年前ですが、クラウドソーシング活用の記事を昔寄稿致しました。
・クラウドソーシングを利用してディレクションをする際に大切な5つのポイント
・パラレルキャリアでプロデューサーになるということ
3年経ってもとくに色褪せていないと感じているので、良かったら読んでもらえるとうれしいです。
さて、今回は、僕がシゴトクリエイターとして実践してきたあるサービスの企画、構築、運用という点について書いてみます。
読者想定としては、
・一人または小規模でWebサービスを作りたいと考えている人
・Webサービスを運用していく上での実体験が知りたい人
・自分でビジネスや仕事を作ろうと考えている人
です。
「シゴトクリエイター」という職業は、自分にとっては、一生食いっぱぐれないのないようにという意味ですが、読者またはクライアント、関わるパートナーや他人にとっては、シゴトを作るためのアドバイスと、どうやったらいいかのアイデアや企画を提案する立場となります。
本記事で伝えたいこと
結論的に、本記事で伝えたいことは、
「自分で企画して仕事を作るとか、ビジネスをやるというのは面白い。そして、今後は誰もが持つべきスキルである」
ということです。
そのためには、単一的かつ短期的な、何か決まった成功方法があるかどうかは一先ず置いておき、実際は、ひたすら実践あるのみというのが印象です。
世の中には、発信者が苦労したたことを簡単にまとめて伝えることがよく行われます。例えば、10年間やったことを1冊にまとめたとかなどの本もその一つでしょう。
そういったノウハウが価値がないというわけでなくて、単にその読者がそれを理解できるか、または読んだ上で実践できるかは疑問だと思っています。そういう意味で多くのノウハウは、あること自体が問題でなく適切に伝わらない、実践出来ないことが問題になりやすいです。(”ビジネス書あるある”みたいな感じでしょうか)
僕自身の考え方はシンプルで、「どこまで自分に落とし込めてやれるか」だけです。”自分が行動できなかったらすべての知識やアイデアは無価値である”とまでは言わないのですが、有効活用は出来てないというのは残念です。
ぜひそういう意味で、読んだ方に、何かサービスを作ったり、それだけでなく自分でやって動いていくことは面白みがあることなんだ、と感じてもらって、まずは一歩踏み出すきっかけになれば嬉しいです。
アイデアシェアというアイデアコンペサービスを企画
2016年の4月に「アイデアシェア」というアイデアコンペサービスを始めました。このサービスは、企業の課題に対して投稿者がアイデアを出すというサービスです。アイデアに困った企業とそれを解決するアイデアをマッチングする「マッチングサービス」といえると思います。
現在1年以上経ったわけですが、現状サービスが想定通り成長しているかというとそうではありません。むしろ停滞感というか、どうすれば成長できるか、または成長とは一体何か、僕自身は何をしたいのか、そういう振り返りを丁度したところです。
まずは2016年4月からざっとアイデアシェアで取り組んできたことを共有出来ればと思います。
アイデアシェアでやってきたこと
アイデアシェア自体の発想は、元々友人と話している時に出てきたアイデアです。また、僕自身がアイデアをどうすればお金に出来るかを考えていました。
自身の経験から、アイデアや企画は然るべき企業、つまり欲している企業がいれば売れるという見込みがありました。もちろん簡単に見つかるわけではないのですが、無理とか不可能というわけではないだろうという見込みレベルです。
例えばWebサイトで、課題に対してアイデアを集めることが出来れば一定のサービスになるのではないか。そういう仮説をもって始めたサービスとなります。
・2016年では、6月に1件、8月に1件、9月は2件、10月は1件、12月は1件で合計6件のお題を掲載しアイデアを募集
・現在ユーザー数は111名
・2016年4月から12月の8ヶ月の累計アクセスは、5,418セッションで、ページビューは18,054(平均月間アクセスは、677セッション、2200ページビュー)
・2017年は6月に1件アイデア募集をし現在選定中
というところです。
2016年においては、8ヶ月で6件ということでこのペースが多いか少ないかですが、当初の予定では1ヶ月2件くらいを想定していたので、大分遅いと感じていました。ただどうすればお題が集まるか、そもそも集められるかということもありますがそこを課題と感じていました。
2017年になって、今は7月終わりなので、すでに7ヶ月経ってしまったのですが、十分な動きが出来ているとは言えてないところです。これは僕自身の迷いというか、どうしていくかの方向性を決められてないということもあります。(このあたりは振り返りを持ってわりと明確になっていきます)
Webサービスを作りたい人にとっては、本サービス自体はシェアインフォという外部サービスを使わせてもらっています。隠すことでもないのですが、シェアインフォ自体は当時モニターキャンペーンを行っていました。そこでユーザー数を一定獲得できたため、無償で現在も使わせてもらっています。
サービス構築において「プログラミング技術」とか「プログラムスキル」については全く出てきません。外部サービスをどう使えるか、とくに企画部分に注目してもらえると良いと思います。
また、アイデアシェアで使えるリソースは僕個人の動ける時間と0円に近い予算というところしかありません。仮にどんな形であれ成長させたくてもお金を投下して行うということはあまり選択肢に入っていません。これが良いか悪いかは運営する人がどのように考えられるかによります。少なくとも本サービスで一定のビジネスをするのは目標ですが、とはいえそこにコストをかけて一気に回収するというモデルはありません。ありませんというか出来ませんというのが正しいとですね。
集客や広報でやったこと
基本的にはお金をかけずに行っています。やったことを大体書き出していきます。とくに、集客ということでユーザーを増やすためにやったこと、広報でやったこと(広告ではないです)を中心に書いていきます。
・サービス当初は月3万円ビジネス的な打ち出し方をしていました。月3万円ビジネスサイトで募集をかけてもらうなどでユーザーが増えました。後で書いていますが、結果的にサービスを修正しているので、ここで集まったユーザーとはずれが生じていると思います。
・あまりおすすめしませんが、お題として自分のサービスへどうお題を集めるかも問いかけています。自分のサービスをメタ的にとらえてどうアイデアを集めるかを募集するということがあります。僕もやってみたのですが、これは結果的に失敗でした。自分のサービスへの熱が薄いとか、アイデアがないことを露呈しているだけなので結果的にあまり意味がないと思いました。もちろん一定のサービス成功があった上での問いかけは大いにアリですが、あまりユーザーがいない時期では意味がないということですね。
・公募サイトの登録。いわゆるアイデアを募集するので、公募サイトが使えます。最初は5,6個登録していたのですが、登録してもサイトアクセスがないこともあったので、現在は2サイトのみしか公募サイトは使っていません。これらはやってみないと分からないのですが、外部サイトを使った集客もお金をかけずに出来ることはあります。公募サイトはお金を取る有料プランもありますが、そうでなくても掲載するだけなら無料ということも多いです。公募サイトは掲載コンテンツが命ということだと思いますし、それでより違う人に見てもらえる確率が高くなるからだと思っています。もちろんビジネスとしては有料プランを考えているとは思います。
・お題掲載時のシェアの協力依頼。最も成功していると思ったのは、友人に協力してもらったプロジェクトです。この場合、特定のターゲット、つまり発達障害などの課題を抱える人などのコミュニティにFacebookを中心に投げてくれたことです。これによって、「Facebookコミュニティからアイデアシェア」という流れが出来たわけです。それによって、ユーザー数が増えるということがありました。なぜユーザー数が増えるかというと、そもそもアイデアシェアは登録しないとアイデア投稿が出来ないからなので、アイデアを投稿したい人は登録する必要があります。
・自分が運営するシゴクリというブログで、募集のお知らせをしたりしました。馬鹿にならないもので、そこから流入は一定数あるので手抜かずにやっていたところです。ターゲットがずれていても激しいずれはない(僕の運営ブログはシゴトクリエイターやアイデアが欲しいとか、アイデアに関する一定の認知があるから)と思っていました。あと、僕のブログのほうが、アクセス数が多かったので意味があると思っています。
・プレスリリースサービスの登録。有名どころは限られますが、valuepressはお試しプランですが使えるのでそれを使っています。効果があるかという意味ではメディア掲載とかがあったわけではないのですが、これ自体は地味にやっていくのが価値だと思っているところです。もちろんプレスリリースをWebメディアなどに投げるのもありですがそこまでやれてないですね。
・お題募集時のシェア。Twitterは微妙ですが、Facebookは募集は2週間程度ですが、その間毎日シェアをするなどの地味なことはしていました。これらはやらないといけないというよりも、やるくらいの気持ちはあったほうがいいだろうなと思います。
・メルマガの開始。メールマガジンを発行して新着の募集お知らせをしていたのですが、ほとんど読まれてないのと(実質は送付数の1割以下)、オプトイン(事前にメールを送付する旨を承知すること)については適当にやっていたため、今ではメルマガ登録を手動にして、登録意思がある方のみになりました。多分ユーザーでもアクティブな人が相当限られている(コンテストが頻繁にないのも一つの理由)とは思います。ですが、Webサイトを見ないと分からないでは不親切なので、ユーザー数が少なくても登録してくれた方にはきちんとメールを投げるというところになっています。
以上のような、集客や広報的な取り組みをざっとやってきたということになります。
使ったお金など
基本的にシェアインフォを使わせてもらっているのでサーバー代やサービス利用料はかかっていません。メルマガも無料の配信サービスを使っています。(人数が多ければ課金されますが、そこまでユーザーが達してないので無料です)
一番コストが掛かったというのは恥ずかしい話ですが賞金です。
賞金というのは、アイデアコンペにおいて上位のアイデアには賞金が得られることが一つのメリットだと僕は思っていました(この書き方は後述する仮説検証と振り返りで詳しく書きます)。とはいえ、1回あたりの賞金総額5,000円ですが、基本的にクライアントから頂く形なのですが、サービス当初というのもあったり、価値を見極めるために、ボランティアというところでフィーは取らずにやっていました。一部賞金分フィーを頂いたケースもあります。
たかが5,000円とはいえされど5,000円というところでしょうか。自分の作るサービスだから自腹でもいいじゃないかという考えもあるとは思いますが、ここでは厳密に投資つまり、僕の中では広告宣伝費という認識です。個人で勉強のためにサービスを作るなら収益を上げる必要はないです。僕の場合は勉強のためでなく、アイデアでお金を得られる人を増やすというのがありました。これもボランタリーは考えてなくて基本的にビジネスモデルを組んでやるというところでした。
もちろん収益が発生してないのに、賞金=費用だけというのは、お金を極力かけないという前提があるにも関わらず、仕方がないという感じの費用でした。
とはいえ数万円の支出というところでしょうか。サーバ代と思えばいいかもしれません。問題はその程度の賞金であっても、分配される側からするとそこまで大きな金額でもないため、中途半端になってしまったかなと反省しています。これについても後ほど検証致します。
つまり、お金については、運営費用はかからないが、賞金費用がかかったというところです。
また収益については発生してないため、そこについての話はありません。収益とは本来は、クライアントからのフィーで運営するモデルでしたので、そこはサービスの構築不足、自身の力不足というところでしかありません。この点については、ビジネス的にやろうとしたが、ビジネスとしての収益は上げられてないということです。
仮説の変化
以上、1年間で大体何をやってきたかは掴めたと思います。要は個人で試行錯誤してお金をかけずに色々やったよねというところを把握してもらえればと思います。
今回一番大事だと思っているのは、仮説の変化です。企画とは、端的にいって何か考えて形にするすべての行為と僕は思っているのですが、企画についてすべて関係する話です。
後から言えるのですが、現時点で大きく3回の仮説検証フェーズになっています。順に説明します。
仮説1フェーズ:プロトタイプフェーズ 2016年4月頃、開始時
まず、プロトタイプとは模型というような意味で、仮のサービスということです。つまり完成品ではないベータ版という意味でとらえてもらえればオッケーです。当時、アイデアはあったので早速形にしたい(そうしないとすぐ飽きてしまうため)というところで、シェアインフォが使えないかという検討をしました。結果的に使えることになったので、運用していこうと考えました。
ここでの仮説や考えていたことは以下となります。
・アイデアを投稿し合って何か面白いことが出来ないか。一種のコミュニティを作りたい
・アイデアで一定の賞金が貰えることで面白がってくれる人を増やしたい
・月3万円ビジネスなどスモールビジネスをやる人とも相性がいいのではないか
月3万円ビジネスは簡単に説明すれば、自分で小規模な商売を始める考え方です。藤村さんという方が提唱したものです。月3万円ビジネスの考え方は面白いのですが、僕の理想というか妄想では、色々な人が来て「アイデアを投稿する」流れが出来て、そこからより強い募集に対しては課金できるみたいなイメージもありました。
つまり、アイデアをお互いに出す、またはビジネスを考えている人が集まる。一種のビジネス交流掲示板のようなものです。そこから始まって、色々な人にもっとアイデアを募りたいから有料で募集する。もっとも、無料有料の切り分けまでちゃんと考えていたわけではないので妄想レベルです。
要するに自主投稿や投稿アイデアが集まってくるコミュニティをイメージしていたのが当初です。結構今とは違うのが分かります。
仮説2フェーズ:コンペサービスフェーズ 2016年8月頃から
仮説1が駄目というよりも、どうもイメージと違ったのは、そもそも投稿アイデアをたくさん集めることが非常に大変でした。これは普通に考えればなんでもそうです(笑)
少ないながらも「こんなアイデアを考えている」という投稿を頂いたのですが、それに対して返信してもそこから何か生まれてくるとか、継続のイメージができなかったのも事実です。実際に盛り上げられるほどの投稿アイデアが集まらなかっただけとも言えます。
問題は、アイデア投稿者にメリットとしては、アイデア投稿したらアドバイスをもらえる等ですが、それに対してこちらもアドバイスする意義を見出しづらいのと、あと単にアイデアを盗まれるだけという不安もあります。要はデメリットが多そうでメリットがあまり見えないのかなというのも多いでしょう。ターゲットややる分野の絞込も大事ですから、このあたりは色々と問題が複合的にあると思います。
ここで、自主投稿アイデアを集めてそこから流れを作るということはやめて、そもそもアイデアコンペサービスということである、ということを考えて、お題を出すからそれに対してアイデアを投稿して下さい、ということにしました。しましたというと勝手にそうしただけですが、そもそもお題がなければアイデア投稿もしづらいということですね。
あと、単にユーザーも自主投稿するほどのアイデアは無いけど、何かお題があるなら出してもいいかもという方が「やりやすい」だろうということは想定できました。
そこで、コンペサービスということを意識したのが夏頃でしょうか。このあたりは明確に変えていくというよりも、少しずつ変わっていくというほうが自然でしょう。それによって、企業とのコラボという形でいくつか募集が実現したものもありました。このあたりはアイデア結果に満足はしてないものの、その実現した価値は十分にあるというところが糧になっています。
ここでの仮説や考えていたことは以下になります。
・何かお題を投げかければ、それに対する応答アイデアが期待出来る
・自主アイデア投稿などのコミュニティを作るには色々なものが足りないし、また現時点では難しい(仮説1フェーズでの考えていたものを一旦捨てる)
・企業コラボや依頼数をどうにか増やせないだろうか
仮説3フェーズ:コミュニティサービスへ 現在
そして、2016年を終えたものの、2017年になってからはなかなか動けませんでした。少し書きましたがどうやっていけばいいか方針や方向性が見えなかったというのと、そもそも依頼や集客の面で発展性が見えませんでした。本当にぽつぽつと登録ユーザーが増えたのは有り難いことですが、逆に少ないであろうアクティブユーザーに対してコンペを提供できず申し訳ないという気分でした。
そして2017年になって初めてのコンペでしたが6月に実施しました。そこで良い機会なので友人らにアドバイスをもらいつつ、アイデアシェアの振り返りをしました。振り返りというのは、僕自身がどう考えているかを友人に聞いてもらいながら、アドバイスや意見をもらうというものです。
友人の意見がすべて正しいということはもちろんないのですが、僕が見えてない部分であったりをもらえるのが大きな価値です。
このフェーズは、今までやってきたコンペサービスが悪いわけではない。ただ類似サービスとの比較をしたところで強みが見えないという点がありました。実際は強みがないのではなく、自分が勝てる、つまりアイデアシェアが勝てるところで戦ってないだけかなと考えられます。
このフェーズについてのこれからという話ですので、振り返りを書いてこの部分の話を補っていきたいと思います。
アイデアシェアの振り返り
このアイデアシェア自体のサービスの価値以上に、個人や一人、または小規模でやればその企画者や運営者のモチベーションがそのまま直接反映されます。つまり個人がいい感じであれば回るかもしれないし、駄目なら回らないかもしれないということです。
そもそもなぜ僕がアイデアシェアをやり始めたか、勢いはもちろんあったのですが、それだけではないのでちゃんと書いておきます。振り返りとして出てきたのは以下のようなことです。
アイデアシェアの当初の仮説
仮説「アイデア自体は価値がある=お金になるということを体感してもらう。それにより目覚める人が増える」
これは今も変わってないのですが、要は自分のライフワーク的なアイデアや企画を通して、「それってお金になるんだ」「それならやってみるか」という人を増やしたいということだったんですね。とはいえ、考えているだけでは意味がないので、実践してみようと。それがアイデアシェアの実践の大きな理由になります。
結果「実際は、対価をあまり高く設定できないし、クライアントを獲得できないため魅力的な金額にできなかった」
という結果になります。もっと噛み砕くと以下のようになります。
魅力的な金額とは1万円を単体で超える(総額3万円以上)などの金額です。もっとも法人レベルであればもっと高額も設定できるのですが、自分のビジネスレベルなどを考えるとちょっと想像しづらいと。また競合サービスであれば、クラウドソーシングなどのサービスもありますのでそれらも考慮しています。
当然、原資が生まれなければお金を投稿者に提供できないことになります。お金の項でも書きましたが、結局は投資として自分の持ち出しでしかなく、良くてクライアントが負担するのみで、継続要素が弱いという結果になりました。
仮説「アイデアに価値があるというのは、お金になるということだけなのか?」
仮説というより疑問ですが、アイデアに価値があるかどうかについては非常に考えました。ただこれも考えるだけでは意味がないので、実践しようと。くどいですが、そのためのアイデアシェアでもありました。
結果「金銭的報酬のみだと、クラウドソーシング等に勝てないので、別の価値が必要」
これも考えれば分かることですが、もちろん頭で分かっていてもやらないと見えない点が多いでしょう。もちろんもっと上手くやれる人はいるだろうし、やれない人もいるでしょう。そういう比較はあまり意味が無いので自分がどう考えたか、何をしたかを冷静に見られるのが大事だと思っています。
既に既存サービスで十分なユーザー、または集客力等でも勝てない相手がいるので別の価値を見出すなどしないと勝てる気がしないという話です。つまり戦うべきは非金銭的なところでしかないとなります。もっと、お金をもらえるではないところで価値を提供するところで勝負する。それなら何かできそうだなというところが手応えです。
もちろんクラウドソーシングを知らないユーザー向けにというのもありますが、あまり筋がいいとは思えないところです。 以下、友人からもらったアドバイス、仮説も載せておきます。ありがとう!
仮説「プロジェクトのお悩み駆け込み寺としての価値がある一定の実績が出てきた段階で、宣伝ができるようになれば、アイデアシェアに対価を払ってくれるクライアントも出てくる」
これは今後検証というところです。ただ1年間やった流れでは、駆け込み寺という点があったかどうかはあまり分かりません。後でも書きますが、対価はアイデアシェア=僕であって、投稿者には還元されません。投稿者には非金銭的な価値を提供することでバランスを取るということになります。
仮説「アイデアを募集したプロジェクトはその後レポートをまとめてアイデアシェアで報告。それが実績となり、新規クライアントの信頼度アップにもなる」
これは盲点でした。確かに多くのサービスはその後のレポートやフォローがない、少なくともクラウドソーシングサービス、公募サイトなどはただアイデアを募集して結果発表で終わることが多いです。僕の強みとしては、コミュニティに関しての粘りと一定の構築力だと思っていて、それは可視化が難しいのであまり言ってないのですが、そこから人をつなげ、プロジェクトをつなげ、そこから面白い価値を見出すことって、もっと出来ると思っています。これらは多分もっと出来るし出来そうだということで、良いヒントを友人からもらえたと思っています。
この仮説も、レポートを今後出すのでそれによって検証していこうと思います。
ここで大事なのは、僕が当初の仮説として、つまりもっとアイデアの価値を感じてもらいたいということでした。実際にその手段としてのアイデアシェアはうまくいったとは到底思えませんが、一応自分の思っていたものを変化させながら形にしてきました。
方向性が見えなかったというのは、実はこの仮説に対する検証が甘かったといってもいいと思います。なぜやるか?ということが明確なので、別にWebサービスにこだわっているとか、アイデアコンペサービスにこだわっているわけではないんですね。Whyがあるので、Whatとしてやること自体はそこまでこだわりがないということです。逆にWhatは自分がやれることや、やれそうなことというのに限定されるのですが、まあそれは仕方ないでしょう。
当初の仮説、やりたかったことは一応は否定される、棄却されたといえます。今までのアイデアシェアではできなかったからです。もちろん粘っていればそのうち何かが出来るとは思えるのですが、一方で僕自身も貴重な時間をどこまで投資するかも自分次第なわけです。そういう意味で現状を踏まえて、どこに投資すればいいかは非常に大事です。これは大きなことであろうが小さなことであろうが全く変わらないと僕は考えています。
ユーザー、クライアントにとっての価値など
さらに振り返りは続きます。お付き合いください。
ユーザーの参加動機(想定)
ユーザーがどういう参加動機があるかも想定します。これについては、今とこれからの価値です。今後こういう動機を想定していくことになるという話です。
・プロジェクトやネタが面白そうというのがポイント
・参加してみたい。アイデアだけで関われるの?ならやってみるか
・アイデア出す、ひとの力になるのが好きな人
・課題に共感した。何か力になれば。お金とか別に要らないよ。逆にそのためと思われるのが嫌
・人の力になるのが好きな人+自身もその課題を抱えている人
しつこいですが、お金は出ません(笑)そこでお金はなくてもいいけど、関われるならやるよという人達です。僕はアイデアでお金を頂いている身なので、お金を得られないのは違うのではないか?それはユーザーを騙しているのではないかという気分がありました。
もちろん、僕は商売と趣味は異なるものだし、世の中には色々なサービスや商品があり、同じものでも単価が異なる、売る人によっても異なります。
類似サービスで、お金などは出してないがうまくいっているサービスもありますが、当然そのサービスはお金を企業からもらっています。その点が引っかかっていたのもあります。もちろんそのサービスが悪いわけでもなく、もっと上手いやり方があるのではないかという気負いもありました。ですが、おそらく今時点で(僕のアイデアでもそうですが)、それ以上良いモデルはないだろうなと考えています。
しつこいですが、これらは自分で実践して分かったことです。これを人から何もせずに言われても全く理解ができないし、分からな買ったのだと思います。そういう意味で実践は何よりも勝ると思っています。
ユーザーの価値
続いて参加したユーザーにとっての価値は何か。参加動機と重なる部分もありますが、やはり何が価値かは明確にしておきたいところです。
・関われることが嬉しい(たまたま関わりやすいコミュニケーションとしてのアイデア出し)
・アドバイスやアイデアで貢献できることが嬉しい
・依頼者の課題に共感するから何か力になりたい
・一回で終わらずにその後のレポートが見えるので嬉しい(スナップショットから動画視点)
・自分も昔関わったので何か力になれれば嬉しい
・一度本気で考えたことに継続的に関われる
・アイデアを出すと、クライアントが進めるプロジェクトのファンコミュニティに入れる(共育する)
以上がユーザーの価値となるでしょう。ただ、関わるとか貢献するとか、何か力になるとか、見える化というところがポイントです。これらは可視化することは難しく、定性的な話です。
ですが、ボランティアなどもそうですが、多くはボランティアをする側は学んでいて価値を多く得ているという話もあります。ちなみに、ユーザーが僕のように「お金出さないからやらないよ」という人は、そもそもサービスに登録しないし、来ないので全く問題ありません。
クライアントの価値
・あるサービスではアイデア=1円程度で募集出来る。しかし、量は多数だが質が低い。アイデアシェアの投稿アイデアは質が高い(客観的に見ても)
・アイディアの投稿数は少なくても、依頼者の悩みを親身に聞いて、解決策を具体的でユニークなアイディアとして提案出来る参加者が多いことが強み
・ユーザーだけでなく課題として広く世に問うてくれた大橋に感謝(みたいな)
・投稿アイデアの価値が高いの大橋つながりのネットワークや一緒にクライアントを巻き込むところが価値
・ものすごいアイデアを期待するよりも、まず受け入れてもらえるところの場の価値
・ちょっとした相談も気軽にできるので嬉しい。あまり他では聞いてもらえない
・ユーザーが見えるのでお互いに信頼しあえる(ユーザープロフィールの充実)
・斬新なアイデアとかそういうことではなく、当事者や身近なプラスアルファなアイデアが寄せられる
・一度親身になって本気で考えてくれた人々ができる(応援団)
・クライアント側としては、アイデアを集める、悩みを聞いてもらいアドバイスを求める、アイデアはあるが具体的に集客する場合のアイデアが欲しい、など、プロジェクトの各フェーズでアイデアシェアを利用出来る
・形になったアイデア(選ばれたもの)を、体験できる(クライアントとしては始めからモニターを得られる)
依頼側の価値を考えてみました。簡単にいえば、一定の質があり、ユーザー数も少ないためというのもあるのでしょうが、クライアントとユーザーの距離が近い。あとはこれも実際は依頼者に必死にSNSを通じて拡散してもらっているからなのですが、親身なユーザーが多いし、誠実な方が多い。そういうのはユーザーの価値であり、依頼側からみれば信頼に値すると考えられます。
ユーザープロフィールの充実というのも新たな価値になりそうですね。
他サービスとの比較
ここでは、他サービスと比較して、アイデアシェアの立場や立ち位置がどのようにあるべきか、またはあるとより強みが活かせるかについて考えてみました。
クラウドファンディングとの比較
クラウドファンディングは想いに共感もあるが明確なリターンが普通。お金ではないが商品リターンが明確。一方、アイデアシェアは金銭でなくアイデアで貢献し、そこから学びを得るスタイル。
クラウドファンディングとの違いは、アイデアを通して貢献し、学びを得るということで、クラウドファンディングのようなリターンの商品やチケットや権利とは明確に異なります。もちろんクラウドファンディングの中でアイデアを募集したり、ユーザー参加というキッカケにもなりますが、大きな見える価値として、アイデアシェアはアイデアをいわばエントリーする一つの通貨として考えればいいのではないかということです。もちろん通貨といっていますが、お金ではないのでアイデアはアイデアです。アイデアを提示することで学びが得られる。非常にシンプルだと思います。
当然学ぶためにアイデアを出せるのか?というところになります。学ぶために多くは「お金を払って学校に通う」ということが普通だったりしますが、そのように「学びが得られる」ということが見せられればそこはアイデア投稿する動機づけになるといえます。
クラウドソーシングとの比較
クラウドソーシングのコンペや公募は金銭が一応は目的であり、かつ一回で終わり。関係性はなし。一方、アイデアシェアは金銭はないが、一回参加したら次回や長期だが次の動きやアイデアどう役立ったかが見えるといったレポートが価値となる。
クラウドソーシングや公募サイトとの違いは短期、または一回かどうかというところになりそうです。長期の関係という点で逃げているわけではなく、短期のところでは勝負しようがないという結論です。ここをさらに強めるならば、アイデアシェアは「1回限りのサービスでなく、最低3回は使ってもらって実感してもらう」ことを伝えていく必要があります。少し違いますが、Twitterで最初一定のフォローをしてそこからタイムラインに流れて感じてもらうことが大事というように、何回か関わって何か価値を実感出来るサービスだということになります。
企画実現系サービスとの違い
アイデアクラウドファンディングのようなものだが、ただし失敗すると、アンケートサイトみたいになってしまいやすい。イベント自己実現系ではあるが多くはワークしてないので、ここの路線を強調するのは難しさはありそう。
これは一般的には認知度が低いですが、例えばあるイベントや企画をやりたいのでというところは「クラウドファンディング」と似ています。ただリターン等はなくて、参加者やメンバー募集というところで、ボランタリーなサービスが多いです。そういうサービスがうまくいったところはほぼなくて、運営側がクローズしていくことがほとんどです。
よって、企画実現をしようということまでは言わないというか、言えないので、あくまでクライアント側の課題をアイデアで解決する、または一部の課題を一緒に考えるというところになります。これはアイデアに対してはフラットだけど、やはり実行者や課題提供者であるクライアントと、それに対してアイデアを出すユーザーは立場が違うということを良い意味で踏まえているとも言えます。そういう風にアイデアシェアを実現していこうという話です。
もっと踏み込んだ比較をするならば、あくまで想定に過ぎませんが以下のようなストーリーをイメージしています。非営利型または社会課題というところを考えている、ざっくりいえば社会的起業をイメージしている、そういった新規事業を作りたい人をメインのクライアントとします。最初は当然お金をいただくのは難しいのは今まで通りですが、そういう思いをぶつけてもらうことと同時にユーザーとの関わりが増えることで、次第にお金につながっていくというイメージです。結局マネタイズとしては、クライアントからもらうというモデルは変えてないので甘さはありますが、現状ではこの路線でいきます。
ただ一定の濃いターゲットや意識が高いユーザーというところで魅力はあり、かつそこから関係が生まれるというのは今の時代においては非常に流れに乗ったサービスとも言えます。関わりを持ちたいという強く思うよりも、関わりたいけど機会がない。そういう時にアイデアがあれば関われるのは安いコストだと思うのは僕だけでしょうか。そういった社会課題に強いユーザーや当事者に近いユーザーがいることで一定の安定したコミュニティが生まれ、例えばクライアントからのアイデア募集フィーのようなシンプルなものでなく、コミュニティを活用したリサーチであるとか、ユーザーインタビューとか、または市場調査などを加味したリサーチなどと広げていくことが出来るかなと考えています。
うまくいくかどうかはやってみないと分からない
よくやらないと意味がないと言われます。やってみて分かることがあるし、やらないと分からないことが多数あるというほうが正確な言い回しだと思います。
アイデアシェアの例でいえば、仮説を当初から何度か考え、そして検証してきました。仮説とは自分の妄想でもなんでもいいのですが、その仮説を正しく検証できるかも大事です。なぜやりたいかをちゃんと考えていること、またはそれに偽りがなければ、多くは外すことはないと思います。僕の場合は、アイデアが価値があることをもっと他の人に体感してもらいたかった。そのために、たまたまWebサービスで何か出来ないか、そうだコンペサービスをやればいいかも。競合はいるけどね、という話でした。
Webサービスを作らなければ、この仮説は検証できず何も進展しなかったでしょう。結果としては棄却され、金銭的価値でのアイデアの価値を示すことは厳しいのと、とくに金銭的価値にこだわっていたのは僕のこだわりでしかなく、むしろ価値を感じてもらえるものは他にもあるという気づきが得られました。それが非金銭的な学びや気づきというものです。僕はそのあたりがとても好きなので、今後うまく引き出せるのではないかと思っています。
多くの失敗、そして仮説の棄却というところで、ギブアップしているわけでは全くなく、淡々と挑戦していきたいです。淡々としていると熱がないと思われますが(笑)クールなくらいで丁度いいという感じでしょうか。
やってみてうまくいったらそれは次に活かしつつ、失敗したらなぜ失敗だったか、うまくいかないことを検証する。ただ結果だけでなく、当然どういう考えをもってやったかが大事だと思います。
仮説と検証を繰り返し、その中のファクトを丁寧に拾っていって紡いでいく。かなり地味ですが、僕自身この感じは嫌いではなく、むしろ非常に好きです。
最後に
僕自身は昔からアイデア!アイデア!と言っているわけではありません(笑)プロフィール等は僕のブログを見てもらえると分かりますが、プログラミングや心理学など一瞬見ると関係ないことばっかりやっている、そしていまは企画、ビジネスだとか言ってるわけです。
では全く関係ないことに、手当たり次第手を出しているかというともちろんそうではありません。プログラミングもアイデアをプログラム化しているのであり、心理学も実際に心理状況や行動を科学的に検証しているのであり、僕が好きな書くということも、「ある気づき」を言葉にしているに過ぎないからです。これらは、僕の中ではすべて「0から1へ」であり、素材としてのアイデアがないと始まらなく、そしてそれをどういう風に形にするかということが問われることで企画と全く変わらないと思っています。
非エンジニアが作るWebサービス(アイデアシェア自体は外部サービス利用でプログラミング要素はないに近いです)をどのように企画して、またその企画を1年間ちょっとやってみてどうだったか。
結果的には、仮説が変化し、今時点でも収益があるわけではないので、これだけ見ると失敗でしょう。しかし、大きな気付きや学びが得られており、かつ具体的にどのようにしていくかが1年で見える形となったということでは大きな価値があると僕は思っています。
ところで、アイデアというところにこだわっているのは僕がアイデアということが仕事になると思っているからです。自分のマイプロジェクトという位置づけなのかもしれませんが、サービスを運用していれば分かることも多く、(クライアントという意味でなく)「アイデアに接する人」という顧客が見えるというのも価値です。そういうことがあるので、収益が上がらないから(そもそも最初からたくさんお金が得られるという設定ではないので、とはいえ全く上がらないのは困るわけですが)辞めるということはしませんでした。これからもというか、そういう考え方を大事にして企画はしていきたいです。
失敗すればダラダラといつまでも続けてしまう事もできるわけですが、同時に非営利やライフワークに近いこと、または一人でやっているからということでダラダラとなってしまう場合、今回のように振り返りをすることで良い学びや気付きになることも多いと思います。
今回の共有する事例は、何か成功したとかそういう話では全くないのですが、読んだ方が一人でも何か作ったり、企画をしてみるという挑戦の励みになれば嬉しく思います。
また機会があればアイデアシェアのその後について共有できれば幸いです。
Author Profile
-
シゴトクリエイター
大橋弘宜
http://readmaster.net/
1982年生まれ。愛知県清須市出身。
大学では社会心理学を学び、卒業後システム開発会社でプログラミングを4年行う。その後独立し、社会を面白くするをコンセプトに友人と動き始める。
現在、屋号シゴトクリエイターとして、アイデア、企画、ライター、デザイン、など総合スキルを活かす「シゴトづくりが出来るプロデューサー」として活動中。アイデアをブレストしたり、何か実現して形になっていくワクワクがたまらなく好き。
大切にしているのは、企画やアイデアを形にして関わった人が皆WINになること。パラレルキャリアとしては、ロゴECサイト運営、寄付型自販機NPO代表、新規ビジネス構築支援などのプロジェクトを回している。