いろいろな物の価格は下がっていくけれど、交通費が高い。そんな話を聞くことがあります。
「自動運転時代こそ、その高価格止まりの問題が解決できる。しかも無料にさえできるかもしれない。」
そんな思考実験を、完全自動運転車が走り回る時代よりも前に具体化する動きが始まります。車の中にターゲティング広告を配信することで移動を無料にする『nommoc』は、株式投資型のクラウドファンディングにおいてたった4分半で5000万円の資金調達し、話題を集めています。
仕組みとしては、車内に大きなディスプレイを配置し、搭乗者を送り届ける間に広告を配信します。広告の精度を高めるため、細かな顧客情報をnommoc側に提供することになりますが、それでも交通費が無料になるのならOKと思う人も多そうです。
サーファー向けの相乗りサービス「Soon」が先行登録を開始されていますが、このようにカテゴリーが絞られていれば、よりターゲティングしやすく、無料モデルの導入の可能性も広がっていくかもしれません。
移動が無料になることは、当然ながら物理的な制約がこれまでよりも圧倒的に小さくなることを意味します。そこには、様々な可能性がありますが、1つは、地域の活性化です。観光だけではなく、二拠点や三拠点生活、また移動しながらの仕事も増えることでしょう。
人類全体の生活や仕事の導線を変えるイノベーションの中で、地域は今一体何をするべきかのか?そんなことを考え始めるべき時代に突入しています。