クラウドファンディングサイトKickstarterから興味深い事例のご紹介。自転車ペダルのついたDIYのオートバイ「Motoped」
元々は、2013年7月から9月にかけてプロジェクト投稿をしていたMotopedですが、見事に資金調達に失敗。25万ドル(約2,500万円)目標で、16万ドルしか集まりませんでした。その際の1台のフレームキットの購入価格は970ドル(約9万7千円)。
しかし、今回はより安く、より小ロットで作れる工場を見つけ、目標金額は8万ドル(800万円)と前回の約3分の1に削減。そしてフレームキットの購入価格も599ドル(約6万円)とこちらも30%以上安くなっています。素晴らしい。
お金もあっという間に集まってきており、プロジェクト投稿2日間で85%達成しています。
各地域において、道路交通法を確認しておく必要がありますが、ペダルをこいで歩道を自転車のように走らせることもできれば、エンジンをかけてバイクのように車道を走ることもできます。
オフロード好きはもちろん、自転車好き、バイク付きの人にも目を向けさせる製品ですね。
挑戦、挑戦、ただ挑戦
photo credit: Michiel van Nimwegen via photopin cc
こういった事例からもクラウドファンディングの大いなるメリットが分かります。
例えば、クラウドファンディングを使わずに最初の価格、ロットで即製品化してしまえば、かなりの在庫を抱え販売に手こずっていたことでしょう。
しかし、クラウドファンディングでテストをすれば、どれくらいのロット、どれくらいの価格で販売すると良いかという限りなく現実に近い仮説が立てられます。
それに合わせてもう一度全体のモデルを組み直せば、2回目のプロジェクト投稿では、かなりの確率で資金調達を成功させることができるでしょう。
また、もう1つ感じることは、このように再チャレンジすることの「かっこ良さ」です。Motopedのプロジェクト投稿者に、「失敗者」「敗北者」という印象はあるでしょうか?全くありません。
むしろ、更に安い価格で製品を作れるようにし、再チャレンジなんてなんと素晴らしい!と思う方がほとんどではないでしょうか。
そして、クラウドファンディング上で失敗、再チャレンジ等を繰り返していけばいくほど、注目度は高まります。応援者が出てくるなど、いろいろな意味でプラスも大きいわけです。
もちろん、計画を練らずにすぐにプロジェクト投稿すれば良いということを言っているわけではありません。しかし、チャレンジすることのリスクは驚くほどに下がってきているのです。
チャレンジ、チャレンジ、またチャレンジ。私たちが「壁」だと思っているものは、ただの「扉」に過ぎません。
【Social Design Newsから本が出ました】
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」