クラウドソーシングの次の波、ボットソーシングは、”人類の仕事”をどこに持っていくのか?
ご紹介するのは、人口知能で本格的なロゴを作り、ブランディングを提案してくれる「Tailor」。お遊び程度かな、と思いつつ試してみたのですが、本格的で驚きました。
まずは、ロゴの文字を入れます。試しに「Social Design News」と入れてみます。
あなたのビジネスは何をやっているか、ということを聞かれたので、「ソーシャル・デザイン及び未来のインスピレーションのためのメディア」と入れてみました。
ブランドデザインについてですが、自身が望むブランドの価値について記述します。
色について。ホワイト、と。
ビジネスの拠点を聞かれました。はい、東京です。
いつからやってるの?と設立についても聞かれます。はい、2008年です。
自身のデザインを一言で言い表せば?との問いですがhopeful(希望に満ちた)と入れました。
ここからは、細かなビジュアルイメージですね。二択の中から、どちらのイメージに近いか?を示していきます。はい、左です。
これは、右。
これは左ですね。
とやっていくうちにロゴが完成。ここまでほぼ2分程度。出来上がった3つのロゴのうち1つを選択します。どうでしょう。悪くないですよ。
選んだロゴを最後に微調整。これも三つの中から選択。 いかがでしょうか。いや〜すごい、ボットソーシングがついにデザインの領域に入ってきました。何度かやってみましたが、質問項目の記述や選択を微妙に変えると、確かに違うタイプのロゴがあがってきました。現時点でも相当なタイプのロゴができるように思います。
納品は、ロゴだけでなく、色の調整までかけた名刺からレターヘッドのデザインまでを含め、その価格50ドル(約5,000円)。もちろん気に入らなければ買わなくていい訳です。日本語はまだ対応していないようですが、時間の問題でしょう。さて、私たち人類の進むべき道はどこにある?
人間は”より人間的な仕事”を行うようになる
PHOTO: playing the violin at suns from Shutterstock
中小零細企業、またスタートアップやNPOには「まずボットソーシングでデザインを」という波が大きく広がることでしょう。
現時点でここまでできるとなると、数年後には、一体どこまでのクリエイティブな仕事を、ボットソーシングが行うようになるのか?ぞっとする人は多いはず。
しかし、私はあまりネガティブに考えていません。このトレンドは、デザインやブランディングの民主化、つまりこれまでブランディングに手を入れられなかったところが、それを行うようになることを意味し、更にデザイナーやクリエイターの仕事は、”最後の一詰め”を行うようになると思っているからです。
つまり、ボットーソシングで出てくるようなデザインを更に高めていくという仕事。もっと高度で繊細な領域をフォローをするようになるということ。 その企業や人の”感触”が分からなければ出てこない質問や細やかなコミュニケーションを深めゆく中で、そのブランドの持っている使命をより浮き彫りにする作業を含みます。
私たちの仕事は、ボットソーシングの普及により、より創造的で繊細、つまり人間的な仕事を行うようになるのです。