米国・ミシガン州発の「ダブルアップフードバックスプログラム」が今、世界で注目されている。
地域の農産物を買うことのできるファーマーズマーケットで、配布されたカードを利用し、食材を購入するのだが、1ドルがその倍の2ドル相当になるのだ。2倍のプレミアムが付いた商品券で、野菜を買うようなものである。
大きなメリットは4つある。1つは、超格差社会の支援だ。先進国と呼ばれる国においても、中間層の減少は広がり、日々の食卓にマイナスの影響が出ている。2つ目は、農家の支援だ。地域の農家の新たな顧客の獲得を支援することにつながる。
また、3つ目は、農産物の地産地消による、環境への良い影響だ。フードマイレージ(食料品の輸送距離)の減少によって、CO2の排出量も減る。そして最後は、言わずと知れた地域経済を潤す効果だ。”できる限り地域の物を買う”という習慣は、経済的好循環をその地域にもたらすことにつながる。
ファーマーズマーケットは、日本においても増えているが、もっと身近な例で言えば、「道の駅」だろう。地域の道の駅で商品を購入する際に、このプログラムが使われるなら、大きな影響力が期待できそうだ。もちろん、地域のスーパーにも導入されるべきで、そうなれば、地域の野菜を仕入れる数が劇的に増えるに違いない。
日本の20%のプレミアム商品券でさえも、大きな反響が出ていることを聞くのだが、もし、100%、つまり2倍となれば、その効果は火を見るよりも明らかだ。地域社会をどのようにリデザインするのか。今世界が問われている大命題である。
【クエスチョン】
・日本で「ダブルアップフードバックスプログラム」を押し進めることは可能か?そのために必要なことは?考えてみよう!