未来の書店は、宿泊施設と一緒になっているかもしれない。
今月池袋にオープン予定の泊まれる本屋「Book and Bed」は、思いつきのようなコンセプトホテルではないように思う。未来の本屋の可能性を探る大実験ではないか。
スコットランドでも、AirbnbにThe Open Bookという泊まれる書店が登録されている。ただ単に泊まるだけでなく、書店員としての経験も積むことができる。自転車で街を探索することも。ちなみに1泊の価格は、22ユーロだ。
20世紀まで書店は、本を売ることが仕事だった。21世紀もそれが仕事の1つであることはもちろんだが、それだけではきっとない。
人が密かに求めているが実現できていない、これまでにない「体験」を提供することが書店の役割の1つになるのだろう。その中で「宿泊」は重要なキャッシュポイントとして認識される可能性がある。
例えば、その民宿型書店で読んだ小説にある世界を、その地域で体験できる自転車ツアーだって考えられるはず。そのような企画は、地域自体をPRすることにももちろんつながる。
21世紀は、文化の時代だ。観光立国として立ち上がろうとしている日本としても、それをより深く理解しなければならない。このようなトレンドの中で、地域の書店がどのような立ち位置を取るのか。そんな角度から、本屋を見る時が到来している。