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「働き方の未来-フリーランス経済-」という興味深い記事があったので、ポイントを拙訳でご紹介。
The future of work: a freelance economy
・2020年までに3人に1人が、オンライン上で独立して仕事をするようになる
・世界中の3193人のフリーランサーを調査した結果、72%の人は何かしら他の組織で働いていた。しかし、61%の人は2年以内に完全に独立することを目指している
・また89%の人は、朝9時から夕方5時までの仕事をするのではなく、柔軟性を持ちながら、いつでもどこでも働ける環境を好む。
・私たちは、5年間1つ会社に勤めるのではなく、1度に5つの組織で働く世界へと向かっている
・今後更に必要になるのは、コワーキングスペースの発展だ
いかがでしょうか。
ここでは、フリーランス経済という文脈で捉えられていますが、私は2020年の労働人口の残り3分の2も、1つの組織だけで働いている人は少なくなっていると思っています。
リアル、オンライン関わらずいくつかの仕事をしながら「パラレルキャリア」をすすめる人は多くなっているでしょう。
そして、ここでは消費社会下における「雇用」という概念は完全に崩れ、働くことが再び「生活する」に近づいていくのです。
なぜあらゆる企業が「ブラック企業」と化すのか?
今ブラック企業に関する話題が増えている理由は、単純に昔からあった労働基準法に反する会社や、大量採用大量解雇をするマニュアル労働型大企業が増えているからだけではありません。
ポイントは、これまでは普通であった企業が、「ブラック企業」と呼ばれるようになりつつあるという点です。
ではなぜ、そのような事態が起こってきているのでしょうか?その理由は、大きく3つあります。
1つは「ワークプロセス」の大変化。ロボット革命、メイカーズ革命、クラウドソーシング革命などにより、仕事のやり方が根本的に変わろうとしています。
例えば、「その仕事は、コンピューターに任せるべきか?従業員にやってもらうべきか?それともクラウドソーシングで補うべきか?」というタスクデザインに失敗する会社は、ブラック企業と呼ばれてしまいます。従業員を機械と同じように扱うことが、「経営の失敗」と捉えられるようになるのです。
そして、2つ目。それにともなって「組織形態」が大きく変わること。これまでのピラミッド型の大組織は、コスト的にこの新しい時代を乗り越えられません。
この状況に耐えられず、企業はやぶれかぶれで、これまでの方程式通り「管理」を強めて従業員を縛りつけようとします。これまで社員は、その先に希望や夢、未来があったから耐えられた部分もありました。しかし、今企業の中にはそれが見えにくいところが多い。
この流れの中で、これまで普通と思われていた企業がブラック企業と呼ばれていくのです。
そして、3つ目。それが、「働く」という価値観の変化です。リーマンショックや東日本大震災などを経て、私たちの「働く価値観」は、徐々に自己実現と社会貢献へと向かっています。
「『動物』として、食うために働く」だけでなく「社会の希望や自身の夢のために『人間』として働きたい」
その人々の思いは、益々強くなっていきます。
結果、これまでのように、「給料やるから、コマとして働け!」という単純な経営者からの命令には、従いにくくなる。
一方当然、多くの会社は社員がいなければ業務はまわりません。そして「個」がエンパワーメントされていく、ワークプロセスの進化の中で「社員が経営者よりも強くなる」。これまでは考えられませんでしたが、ここがこれからの重要なポイントとなります。
以上、この一連の大きなうねりが、社会を覆い始めています。これがあらゆる企業をブラック企業と化す「ブラック企業サイクル」の実体です。
【Social Design Newsから本が出ました】
ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
※Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになりました。