カナダ・トロントのメイカーフェアにて、腕や指の動きでPCを操作できるモーションセンサー「Leap Motion」(リープモーション)を使い3Dデータを作成、それをMakerbotの3Dプリンタで造形するブースが話題を集めました。提供は「Hot Pop Factory」です。
3D Printer Finger Painting at Maker Faire
Leap Motionはこちら。細かく繊細な動きも感知します。
動きはこのようにシャープかつ滑らかです。
指を使って、3Dデータを描いていきます。
そのデータを3Dプリンタに転送し、出来上がった造形物がこちら。自分で描いた3Dデータが瞬時に自分の手元に届く体験。メイカーズ時代、子供達の教育のためにも貴重な経験ですね。
実際使われている様子が分かる動画はこちらから。これは、日本でも行われていきそうな体験ブースですね。
【参考】
・ジェスチャーで3Dデータを作り出すShape-It-Up。そして近い将来、仮想物体とリアルな物体は限りなく近づく
消費社会を生産社会へ。メイカーズ・プレミアム
消費社会と生産社会をつなぐ、1つのコンセプトがあります。それは、クリス・アンダーソン氏の著書「Makers」で示されている「メイカーズ・プレミアム」です。書籍「Makers」にはこうあります。
イケアを使った実験では、参加者が自分で作ったイケアを買う場合と、自分以外の誰かが作った全く同じ家具を買う場合の値段を比較した。自分で作ったイケア家具を買う場合は、そうでない場合より67%も高い値段をつけることがわかった。レゴのセットでも、紙の折り紙でも結果は同じだった。どんな場合でも、自分が骨折ったものにはより高い金額を支払う。これが、「メイカーズ・プレミアム」と呼ばれるものだ。それは、コモディティー家に対する究極の対抗策ともいえる。
現在のマーケティングの目的は、「顧客に自社商品を消費させること」です。しかし、いつの日かそれは「顧客に商品を生産してもらうこと」へと変化をしていきます。特に、コモディティ商品以外はその傾向を強めます。
消費社会から生産社会への移行の接点ともなる分かりやすいコンセプトがこの「メイカーズ・プレミアム」なのです。
私たちは誰もが創造性を持っています。しかし、その創造性は消費社会における社内の「効率的管理」の中で抑えられてきました。
しかし、それでも人々は自身の無限のクリエイティビティーを開花させ、価値を生み出す喜びを感じる生活を送りたいと願っています。
情報革命が製造業にまで影響を及ぼし、ついにはその創造性をおのおのが発揮できるメイカーズ時代が到来してきたわけです。それは単純に企業にとってマイナスとも言い切れません。メイカーズ・プレミアムが示すように、消費者を生産者として捉えていけるかどうかで、またその意味合いは変わるのです。
この価値観の転換に企業がついていけるかどうか?が1つの大きなポイントです。
【Social Design Newsから本が出ました】
ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」