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ロボット会社は思った以上に資本集約的ではないという話。資本集約的とは、固定資産における割合が大きいという意味。例えば、鉄道や通信会社などがそうですね。
一方、日本に置ける農業や飲食店、またソフトウェア会社などは労働集約的な産業です。
ロボット産業も、一見大きな設備投資が必要かと思いきや、現時点でもそれほどではなく、これは「ロボット産業における最も大きな神話だ」として、そのデータが掲載されています。
The Greatest Myth About the Robotics Industry
資本集約的なバイオテクノロジーの会社と比較することによって、それを説明しています。まず下の図ですが、バランスシートから短期投資と現金が多く、長期負債は少ないことが分かります。リスクに対して軽快に身動きの取れるバランスシートとなっています。
続きまして下の図。◆がロボット会社、×がバイオテクノロジーの会社です。ロボット会社の方が資本収益率が平均的に高いことが分かります。
バイオテクノロジー会社における資産は、設備や工場、ロボット会社における資産は債権や在庫などの流動資産が大部分を占めるという傾向を持っています。
続いて、下の図。ロボット会社がバイオテクノロジー会社よりも少しだけ多くの利益をあげるが、売上げにおける利益率はバイオテクノロジー会社の方が上という結果。まあ、そこはそうでしょうね。
大企業が、バイオテクノロジー産業に進出するよりも、ロボットに進出したいと願う理由も分かりますね。
無数に出現するであろうロボットベンチャー
Poppy Overview from Poppy Project on Vimeo.
オープンソースのロボットプロジェクト「PoppyProject」。上の動画で分かるように、二足歩行で歩く人間型ロボットを作ることができます。
モーター、電子部品、そして3Dプリンタで部品を出力し組み立てます。トータルコストは、7,500ユーロ(約106万5千円)。プログラムはPythonで書かれており、こちらも全てオープンにされています。
クリエィティブコモンズライセンスの表示-非営利-継承3.0となっているので、このロボットを更に自分たちでカスタマイズしていくことも可能ですが、オープンソース自動車Tabbyのように、商用利用(販売)をしていくことはできません。
【参考】
・自動車もオープンデザインの時代へ。オープンソース自動車「TABBY」
いずれにせよロボット産業においても、このオープンソースの波は拡大していき「資本集約的なロボット産業」というイメージは払拭されていくことでしょう。
これからはロボット産業にも、多くのスタートアップが登場してきそうです。
【Social Design Newsから本が出ました】
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」