自動車もオープンソース、オープンデザインの時代へ突入します。
こちらは誰でも参加できるオープンデザインの自動車プロジェクトOSVehicleから生まれたオープンソース自動車「TABBY」。
特徴はローコスト、強固、ユニバーサルデザイン。また、エンジンはハイブリッドで環境に優しく、簡単組み立てのオープンソースタイプの2人乗り自動車です。
デザインを自分で自由に設計するため、屋根や窓はありませんが、ここまではなんと41分で組み立てることができます。その映像はこちら。
OSVehicle: TABBY Timelapse from OSVehicle on Vimeo.
ちなみに、クレジット表示さえすれば自由に改変することも営利目的での利用もできるクリエイティブ·コモンズライセンス「表示-継承3.0」となっています。
観光用の車、パトカー、郵便配達用の車、会社の自動車、ゴルフ上のカート、レーシングカー、ホテルの車など応用は様々とのこと。
http://www.alvolante.it/news/tabby-auto-open-source-331871
インターネットからダウンロードし、自由に開発することができます。ちなみに設計データのダウンロードはこちらから。
Urban TABBY – the road legal evolution from OSVehicle on Vimeo.
「オープン」の背景にあるもの
photo credit: left-hand via photopin cc
生物は常に開かれたものと、閉じられたものの中で存在します。
内臓は閉じられたカラダの中に存在し、その機能を果たします。一方、皮膚は外界と接し開かれることで、呼吸をしたり汗を出して、生命を維持させようとするものです。
つまり、単純に閉じられたクローズドが悪く、開かれたオープンがいいというわけではありません。
株式会社が誕生して400年、これまで企業やそれに伴う組織や制度は、基本的にクローズドで閉じられていく傾向性を強めていきました。例えば、知的財産権を保護をすることによって、会社はその富を蓄えていったのです。
しかし、会社が閉じる傾向性を強めていった結果、各所で問題が発生していきました。粉飾決算やワーキングプア問題などが深刻化し、その反動として「オープン」という流れが大きな潮流となり、いよいよ社会の主流と認識されようとしています。
また、この「オープン」という手段は、1つの重要な背景を持って突き進んでいるために、その頑健さが増していくのです。それは、「大衆が普通の自尊心を持って暮らせる社会の確保」です。
様々なことをオープンにしていくことで、これまで苦しんでいた人達に力を与えていくという思想的背景が「オープン」にはあります。今回の自動車のオープン化の流れは、「社会的ステータスの象徴とされた消費材」である自動車が、「誰もが持つ豊かな個性を発揮する生産物」となるかもしれないのです。
そして最終的な帰結としては、新しいオープンと新しいクローズにおける21世紀型社会的システムの構築でしょう。クリエイティブコモンズライセンスなどもまさにその中で重要な役割を果たしていくはずです。
時代はうねりをあげながら確実に前進しています。
【Social Design Newsから本が出ました】
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」