photo credit: Paolo Margari via photopin cc
「働き方」の変革はハイスピードで進んでいきます。
いくつもの仕事を並行して行うパラレルキャリアが当たり前となる未来についてよく話しますが、もう1つ、「より場所を選ばない働き方」も増えていきます。
ガーディアンに、「今後多くの人は自宅やカフェなどで仕事をするようになる」という記事が掲載されています。
Many more of us will work from home
ここでのポイントは「多くの人」というところです。
より情報密度の高い社会へと移行し、「モノのデジタル化」が益々進む中で、こういった「家を職場にする」という情報は爆発的に増えていきそう。
3Dデータをダウンロードし、家の3Dプリンタで印刷して使うという未来は、遠い将来ではないことをもはや多くの人は気づいています。
記事にはこれからの5年間で働き方は大きく変わるとしていますが、私自身もそれを感じている1人です。
現在、一般的にインターネットを個人で利用する場合には「消費目的」もしくは「関係性の構築のため」に使うことが多いのではないでしょうか。例えば、ネットショッピングをしたり、ソーシャルメディアで人とつながるなどです。
しかし、これからはより「生産」のためにインターネットを利用する人達が増えていきます。
例えば、何か「新しい製品を開発するためにパソコンを開く」ということです。デジタルファブリケーションやクラウドソーシングなどを利用しながら、パラレルキャリアで自身の製品を販売するメーカーを作ることもそう。
また、農業をしながらデジタル環境&デスクトップ工作機でものづくりをして生活する、なんていう人も増えていくでしょう。
1つの企業に5年勤めていくという流れではなく、1度に5つの組織で働くことも普通となっていく社会。
私たちは今、「働き方」を再発明するタイミングにきています。
【参考】
・1つの企業に5年勤めるのではなく、1度に5つの組織で働く近未来
バーチャルリアリティーがそれを加速させる
世界中が熱い視線を送った電化製品の世界的祭典2014 International CESにて、最も注目を集めた機器が「Oculus Rift」です。
The Oculus Rift ‘Crystal Cove’ prototype is 2014’s Best of CES winner
現実に限りなく近いバーチャルリアリティーをいよいよ私たちは目にします。
こちらはOculus Riftを使っている人の体験をまとめている映像。分かっていても、これほどまでのリアリティーを感じることができます。
ゲームや教育のようなものだけでなく、自動車産業、映画産業などあらゆる産業が刮目し、その可能性について研究が進められています。
当然、Skypeなどを使った声だけの遠隔会議に続く、バーチャルリアリティー会議なども行われていくでしょうし、Sqwiggleなどと連携したバーチャルコワーキングスペースのようなコンセプトがうまれ、新しい「働く場」のあり方にも大きな影響を与えていくことでしょう。
【参考】
・離れた空間なのにオフィスに一緒にいる雰囲気を作り出す「Sqwiggle」
いずれにせよ「自宅で仕事をする」というトレンドを加速させるであろうトピックです。
正式な発売日はまだ発表されていませんが、年内にリリースされる可能性が高いです。はてさて、また世界が大きく揺れそうです。
【Social Design Newsから本が出ました】
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」