家を建てる際に、”新しい選択肢”が生まれてきそうです。
こちらは、世界トップクラスの住宅建築を広く届けるためのオープンプラットフォーム「Paperhouses」。
これまで家を作る際は、大手ハウスメーカーか工務店。建築家に家を頼む人は、多くの場合お金に余裕のある人達です。この文化を広く壊していきたいとの思いで立ち上がったプロジェクトがこちら。
設計図を無料でダウンロードができ、その地域の施工業者がその地域で仕入れられる建材を利用して建てていきます。つまり、環境にも地域経済にも優しいモデルです。
例えば、一流の建築家が設計した低コストで熱効率の高いこんな家が。特徴の1つは傾斜した土地に建てられること。
生活空間を最大化し、壁の構造を最小限に抑えているとのこと。
こちらは通気性、また光と影のバランスを高度にデザインした家。
窓が広くて良さそう…。
こちらはハンガリーの伝統的な農家をイメージして設計された家。
木でできているところもいいですね。広くて長〜い空間、一度入ってみたい。
新しいサプライチェーンで再編される住宅業界
以前ご紹介したスタイリッシュな家具のオープンプラットフォーム「OpenDesk」。
デザイナーやクリエイターが製作した家具のデジタルデータを無料でダウンロードでき、自分で作ることはもちろん、製材、組み立てセット、もしくは完全に組み立てられた製品を購入できる仕組みともなっています。
【参考】
・“企業”の競合はもはや”個人”。スタイリッシュな家具のオープンプラットフォーム「OpenDesk」
こちらは無料でダウンロードし、自分で作る分にはタダなのですが、購入する場合にはデザイナー及び部品を作り組み立てた地域の工房にお金が入る仕組みになっています。これはまさに、次世代のサプライチェーンモデル。
このモデルの「住宅版」と言っていいのが今回ご紹介したPaperhousesでしょう。
私は福島県の林業が盛んだった町の出身です。しかし、今ではほとんど大工さんは町にいません。建てられていく住宅は、大規模なカット工場で加工された木材を組み立てる、大手ハウスメーカーの画一的な家であることが多いわけです。
住宅業界も、今や大量生産大量消費型の業界。しかし、Paperhousesのようなプラットフォームが大きく広がった場合、今後は高品質で低価格、そしてデザイン性、カスタマイズ性を伴った個性豊かな住宅が広がっていく可能性があります。またそうであるとすると、その主役は再び小さな工務店や次世代大工さんなどになっていくのでしょう。
住宅のオープンプラットフォーム&デジタルファブリケーション、そして地域の資材、地域の循環経済が考えられていく住宅マーケットへと近い将来再編が進んでいきます。