「キリストは水からワインを作った。それを今のテクノロジーを利用して我々ができない理由があるのか?」そんな冗談から始まったプロジェクトが実際にカタチになりそうです。
ケビン・ボヤー氏とフィリップ・ジェームス氏が、ワイン醸造に革命を起こそうとしています。こちらは家で美味しいワインを2、3日で作り上げてしまうスマートデバイス「The Miracle Machine」(ザ・ミラクルマシーン)。名前がまたすごい(笑)
ワイン業界は、伝統的な産業であるのでその製造方法はアナログかつ秘密になっていることも多く、美味しいワインが未だに非常に高価だということに疑念を抱いたとのこと。
そこでテクノロジーの力を利用し、発酵スピードを加速させ、かつ美味しいワインを家で製造する機器の開発に挑戦しました。その原料はシンプルで、ぶどうの濃縮液、そして酵母と水です。
また面白いのはスマホ連携するワイン製造機でもあることです。スマホから発酵状況が確認でき、ワインが完成したら通知を送ってくれます。ちなみにiOSとAndroid両方に対応。
作るれるワインは6種類。原料2ドル程度で、1本のワインが製造でき、一般に20ドル(約2,000円)以上で販売されている美味しいワインが出来上がる模様。新鮮さは間違いないでしょうが、香り、そして味まで良いとなれば、かなりの注目を集めそうですね。
気になる価格ですが、デバイスは499ドル(約5万円)で販売される予定です。ちなみに近々Kickstarterにてプロジェクト投稿されるそう。
事業モデルとしては、月額10ドル(約1,000円)以下のワインクラブを作って、原料などを定期販売していくようです。今後の展開に注目ですね。
The Miracle Machine from The Miracle Machine on Vimeo.
自家醸造機はどんどん登場しそう。日本はどうする?
photo credit: Lotus Carroll via photopin cc
日本において、家庭における気軽なお酒づくりは禁止されています。酒税法によって自家醸造はできないわけです。
つまり、The Miracle Machineのようなアイデアから、どぶろく、日本酒、焼酎等を作れるスマートマシーンを作ろう!と思っても現行の法律では難しいということですね。
ちなみに、フランス、ドイツ、イタリアなどでは自家醸造を禁止したことはありません。また過去において自家醸造を禁止していたイギリスは1963年に解禁、アメリカにおいても1979年に解禁されています。アジアにいても中国は販売しなければ自家醸造は自由、また韓国においても自家醸造は可能になっています。
日本においても、どぶろくが作れるどぶろく特区など自家醸造に関する法律改正は少しずつ進んでいるようですが、その動きは非常に遅い模様。ビールの自家醸造マシーンがKickstertarに登場し大きな話題を集めましたし、今後このようなスマート機器が世界中に広がっていく中で、日本においてもこの辺りの法改正は大きな議論となっていきそうです。
いずれにしても今後の動きに要注目ですね。
さて、最後に告知ですが週刊ダイヤモンド3/8号、特集「いい会社わるい会社」のP49に私の取材が掲載されています。ご興味のある方は、是非ご確認ください。