お金ではなく時間を単位とする経済圏が拡大していきます。
「ECHO」は人が1時間働いた単位を1エコーという価値をつけて、お互いのスキル、サービス、資源等を交換しあう英国発のプラットフォームです。以前、ご紹介したTIMEPUBLICと同じコンセプトのサービス。
【参考】
・広がる非貨幣経済圏。お金ではなく時間を流通単位にするスキル交換サイト「TIMEREPUBLIK」
時間が働いた時間1エコーとして貯めておくことができ、それを使って自身がやって欲しいことを、誰か、もしくはどこかにやってもらうことができます。
自分はライティングで1エコーを獲得し、その1エコーでどこかにロゴをデザインやってもらう、ということができるわけですね。
こちらは個人だけでなく、企業団体も参加しています。企業にとっては、空いている時間をエコーに変えていくことができ、またNPOなどの非営利事業もエコーを獲得していくことは、後々必要な資源を調達する際の有効な手段になります。
また、個人にとしてスキルを磨く道場として利用するなんてこともできますし、大企業にとってはCSRという名目で関わるところもあるようです。
お金を媒介としない「時間経済圏」、今後間違いなく拡大しますよ。
「誰の1時間も同じ」とういう哲学
PHOTO: different professions from Shutterstock
このプラットフォームを成り立たせるために、ある重要な思想が底流に流れています。それは「誰にとっても1時間は同じ1時間」というものです。
これに納得ができる人だけが、このプラットフォームに参加することができます。「私は20年翻訳を仕事をやってきている。これをデザイナーとしてたかだか3年しかやってない人と同じ1エコーとしてカウントされたくはない。」という人は参加することはありません。
こういった哲学が、社会に広く認知されるには、当然もう少し時間がかかるでしょう。しかし、仕事上の競争は極限的に進むグローバル化の中でどんどん激しくなっていきます。そして、あらゆる仕事はロボット、コンピューターにとってわられる可能性を持っているのが現代です。そう意味では、出てくるべくして出てきているプラットフォーム、そういう念を抱かずに入られません。
「人間は皆平等である」
理想としてはそうであっても、現実の社会には常に「本当にそうなのだろうか?」という懐疑が横たわっているように見えます。
その大きな要因の1つが経済的格差の問題。ある人の給料が、ある人の給料の100倍、1,000倍となる社会。これは本当にそうなのか?またそれはあるべき姿なのだろうか?
たぶん、22世紀の人類は、なんて原始的で不自由な時代だったのだろう、と今我々が生きる社会を評するのだと思います。
誰もが同じように尊い人間。それを感じられる社会へと着実に向かっていくのです。