若き日にある食通の方と話す機会があり、「味の9割くらいは”におい”なんだよね」とおっしゃっていたのを思い出しました。”味”における”香り”の割合は実はかなり大きいんですよね。
こちらはMolecule-R社がリリースした「Aromafork」。なんと、料理に香りを加えることのできるフォークです。
用意されているのは21種類の香り。例えば、コーヒーやチョコレート、イチゴやバナナ、ミントやバジル、ピーナッツやアーモンド、わさびやシナモン、バターやスモークなどです。それをフォークの首につけて食べれば、まさにその素材と一緒に食べているような味を感じることができます。
21種類の香りだけでも、様々な料理と組み合わせれば、無数の味の可能性を見いだしていけそう。失敗しても、フォークを変えるだけで、元の味に戻りますので大丈夫(笑)
こちらのキットの価格は58.95ドル(約5,900円)、また出荷は2014年6月もしくは7月とのこと。面白いな〜、試してみたい。
豊かな食卓に意識が向けられていく時代へ
PHOTO: wood kitchen from Shutterstock
AROMAFORKをどんな時に使うのかと言えば、例えば次のような場合でしょう。
・料理人が新しい料理を開発する時
・企業の製品開発チームが新しいレシピ、フレイバーを開発する時
・料理好きが、自身で新しい料理を作ってみたい時
開発コストを抑えるために企業がAROMAFORKを使うなんてことがメイン用途なのでしょうが、個人的には「食卓の可能性」を広げるという意味でも面白いのでは?と感じています。
皆で、いろんな味を研究したり、奇妙な味を楽しんだりできますよね。
忙しい現代において食事は、とにかくはやく作らねば!というのが日々の主流です。「買ってきたできあいもので満たされる食卓」これが現代の私たちの生活の象徴とも言えます。
しかし、21世紀において「食卓」というのは、「人間の豊かさの象徴」として見られていくのではないか、と思っています。日々どれだけ豊かな食卓を囲んでいけるのか?そんなところにも、再び私たちの意識が向けられていく。
新鮮な食材を使った3Dフードプリンタ料理で、再び手作りの家庭料理を復活させよう!なんて動きも生まれようとしていますし、今後が楽しみな分野です。
【参考】
・健康的な食事を家庭用の3Dフードプリンタで。「Foodini」が満を持してKickstarterに登場!