未来の服屋さんってどうなんだろう?ユニクロなどの大手があらゆるものを独占する時代になるの?
時代は一見その方向に動いているように見えるかもしれない。確かに当たり障りのない、下着などの必要最低限の衣類は、安い大量生産品で十分だ。
しかし、こだわったものの購入先は、大量生産されるところからは購入しない。これからそんなトレンドが浮き彫りになるだろう。
その一例となるであろうお店が、英国の「Knyttan」。オンライン上でデザインしたものを、お店の高性能な編み機・ホールガバメントで出力するというスタイル。
お店が、デジタルデータから衣類を生み出す機械を備えているということだ。
個人的な話だが、先日、お気に入りのジャケットに小さな穴が空いてしまった。その穴を埋めるために、地域の洋服直しの店にいったのだが、この穴を埋める技術は非常に難しく、この作業ができる職人はもういなくなってしまったといわれた。
がっくりきてしまったのだが、大量生産品に押され、この領域においても昔ながらの職人さんがいなくなってしまっていることを寂しく思った。
これからは、職人の仕事は完全になくなってしまうのか?確かに、特定の技術だけに依拠した職人であれば、その技術をテクノロジーに代替されてしまえば、厳しい現実にすぐに突き落とされてしまうことだろう。
しかし、そのテクノロジーをむしろ活かしていくことができれば、現代の文脈の中で、職人は再定義され、復活してくるはずだ。
言って見れば、地域の服屋という存在は、テクノロジーやデザイン性といった時代流れを摑み取りながら、高度に復活してくると思っている。今回ご紹介したKnyttanなどもまさにそうだろう。自分に合う服かどうかを相談したい。合うスタイルを的確にアドバイスしてくれる人が欲しいわけだが、Knyttanのデザイナーはそういったことにもアドバイスをしてくれるはず。
これからの職人は、より視野を広げながら、テクノロジーとデザインの領域を利用する力を持つ必要が出てくる。しかし、その活用方法を知った職人は、21世紀の職人として、幅広く人々から支持されていくことだろう。
【クエスチョン】
・職人技術がテクノロジーに代替されていった際に、それでも残っていく人間的な仕事は何なのか、話し合ってみよう!