ブロックチェーンという概念がある。あのビットコインをビットコインたらしめる基本的な技術だ。
それは、ビットコイン上の取引記録を記録しておく台帳なのだが、これがオンライン上にあるわけだ。ビットコインに中央という概念がなく、分散型と言われる所以はここにある。
どこかがビットコイン自体を規制しようと思っても、中央という概念がなく、分散型であるから難しい。つまりは、インターネットのネットワークがあり続ける限り存在するということになる。
そしてこのブロックチェーンという技術そのものが、今後様々なサービスを生み出す可能性を持っている。
以前紹介した分散型Uber「La’Zooz」もまさにそうだが、インターネットがあらゆるリアルなサービスにとって代わったように、これからはこのブロックチェーン技術を利用した分散型サービスが、中央概念のある既存のインターネットサービスのシェアを奪っていく可能性がある。
【参考】
・仮想通貨を発行する分散型Uberは、ライドシェアリング分野で一大勢力となりえるか
これこそが会社の概念変更を究極的な意味で押し進める本命の潮流なのかもしれない。
例えば、このブロックチェーン技術は、家の鍵に介在させることで、「契約期限の3月31日を以てそのキーを利用できないようにする」ということもできる。これまで会社が介在しなければできなかったようなことが、この分散型のシステムでできるようになるということだ。
また、共有経済も加速させる可能性を持つ。契約の承認作業をブロックチェーンで行う場合、「2週間後の3月17日までこの電子書籍を○○さんに移転する」ということができる。期限が来れば、自動的に所有者のもとに帰るわけだ。
今、私たちが向かっている方向性は、ある意味「一部のエリートと、それ以外の大衆」という方向に向かっているように見えるかもしれない。
しかし、実態は逆である。市民一人一人が、実は大きな力を持った存在であることを、誰もが認めざるおえない社会がやってくる。