1日4ドル未満で生活する人は、世界人口の63%にのぼり、ラテンアメリカでは73%と高水準だ。普通に生活するための最低限の日用品を購入するコストは、全くばかにならない。
そんな生活を支援するためにチリ・サンティアゴの「Algramo」は、お米、砂糖、豆、洗剤などの日用品を格安で少量ずつ販売するための自動販売機を提供する。
設置場所は、その地域のお店である。自動販売機から生まれる小さな利益は、設置してくれるお店と分け合う。
これまでこのようなシステムを販売する企業と地域のお店は犬猿の中であることも少なくなかった。典型的な例で言えば、ショッピングモールが参入した近くの商店街は、必ず疲弊をし、時に壊滅にまで追い込まれる。
今、大手企業は、小売業や飲食業などを中心に、これまでになく人を一生懸命雇用しようとしている。非正規雇用を正規雇用にしようとする動きは、一時的なポーズではないはずだ。
その本質は、人材不足やテクノロジーの発展による新たな働き方の増加など要因は様々であるが、これは如実に、”大衆の力”が強まり始めていることを意味する。
いかに多くの人を巻き込めるのか。これからの事業において、この問いは、核心的な命題になる。ちなみにそれは、相手を利用するという操作主義的な文脈ではない。巻き込まれた人にとっても利益になるという本物の連携でなければ、全く意味をなさない。風向きは確実に変わってきている。
そう考えると、これからは地域のお店が、企業のシステムを利用するということが起こってきてもいいはずだ。それは、大手企業に多額の加盟金を支払うフランチャイズのようなモデルではない。
地域の企業の長所を伸ばし、短所を補えるように、企業が自社のシステムや流通網を一部提供するのだ。まさしく、WordPressのプラグインを地域のお店に導入するかのように。サードパーティがそのシステムを間接的に支えるように。
大企業が小さなお店の歯車になる。そのように広く、そして懐深く多くの人を巻き込める会社が、新たな発展を遂げる時代に差し掛かっているように思うのだ。
【クエスチョン】
・地域のお店を支援する、巻き込むという発想の元、自社のどこをプラグインとして提供していけるか、検討してみよう!