書店を存続させて欲しい。地域住民の思いは年々切実さを増している。
英国発の「bookindy」は、Amazonの販売ページに、近隣の書店の価格まで表示され、そのリアル書店で書籍の購入までできてしまうプラグイン。
Amazonのプラットフォームに、密かに近くの書店の買い物かごを出すようなイメージだ。購入した場合、その書店まで取りにいくこともできるが、このプラグインに協力しているローカルショッピングプラットフォーム「Hive」が、配達もしてくれる。ちなみに、送料は10ポンド(約1,950円)以上の買い物で無料になる。
「売り上げも書店数も減少続く 「出版不況」の現状は?」の記事にもあるように、現在、全国の書店数は減っているが、店舗の総面積はむしろ増えている。
言ってしまえば、”小さな書店が消えて、大規模な書店が増えている”ことを意味する。確かに、私が時々行く代官山のTSUTAYAは、いつも人で溢れかえっている。
これはこれでもちろんいいのだが、更に私たちが必要としていることは、町のそれほど大きくない書店が、生き残り続けてくれることではないだろうか。先日、「無知のデザイン」について、次のような文章を書いた。
私は昔から”本屋自体を読む”という行動をしている。本屋にいったら、まず全体を歩き回って、平積みになっている書籍の表紙や、棚にしまわれている本の背表紙を眺めていく。
そんなことをしていると、ふと、”自分の知っていることの周りにある知らないこと”を知り、自身の無知の地図が強化される。知らないことをざっくりと分類・体系化していくイメージだ。
その無知の体系から、自分で今考えるべきコンセプトやキーワードを探し出し、現在の自らの知識と知恵との関係性を思索する。更に、そこから深く考えるため、重要な示唆を与えてくれそうな本を買う。そして、目次を眺め、必要そうなところを読み、考える。また、目次を読んで、次に必要なところを読んで考える。
引用元: 【コラム】無知をデザインしながら、自らの知識や知恵を体系的にバージョンアップさせる | Social Design News.
こんなことも、地域の本屋があるから実現するのだ。先日、ニューヨークの8つの書店の書籍を検索することができるプラットフォーム「City Shelf」をご紹介した。
【参考】
・地域の書店の在庫情報が横断検索できる!21世紀もリアルな書店を残し続けるために
一刀両断の解決策は存在しないのであろうが、地域の書店を存続させ、活かし続けるための取り組みが、世界中で益々増えていくことを願いたい。書店ファンとしての切実なる思いである。