「キャリアとは?」「仕事とは?」「働くとは?」このような根本的な問いが発せられている昨今、そのヒントとなるよう「パラレルキャリアマトリックス」なるものを作ってみました。
横軸の認知的価値とは、「効果効能」の価値ですね。また、情緒的価値とは、「好き嫌い」の感性的価値。社会的価値とは「善悪」を中心に置いた価値のことです。
また、貨幣経済とは、市場経済のことであり、お金で簡単にはかることのできる、等価交換システムの働く経済圏。また、評価経済とは直接的にお金にはならない(なりにくい)けれど、必要とされることであり、信用や信頼が仲介となる経済圏です。
今の多くの仕事は、「認知的価値を貨幣経済圏において、どれだけ提供できるか?」ということが課題です。例えば、「機能の高いスマホを作ろう!」「3Dで観れるTVを作ろう!」こういったもの全てです。
しかし、この左下のマトリックスのみで、生きていくことが難しくなっているのが現代です。
そして、この「構造転換期」は、どれか1つのマトリックスをキャリアだとを考えていても、難しいことが多くなります。よって、この6つのマトリックスのうち、3つのマトリックスに入る活動を、自身のキャリアと捉えていく必要があると思っています。
また、6つのマトリックス上に書いてある仕事・職業・活動は、分かりやすい事例としてあげているものであり、これがおススメ!と言っているわけではありません。
ご自身が今行っている仕事・活動を全てキャリアと捉え、6つのマトリックス上に置き、3つのマトリックス以上に入ってくるかどうか?をはかることが趣旨です。
文明の構造すら変えるデジタルファブリケーション
3Dプリンタを始めとするデジタルファブリケーションの潮流が21世紀の産業革命として注目を集めています。
しかし、そこで語られる文脈は、「認知的価値を貨幣経済圏において、どれだけ提供できるか?」という左下のマトリックス上のことが、専らです。つまり、「次のAppleやGoogleやAmazonはどこなのか?」といったことが、中心的話題の1つです。
しかし、上の図を見ていただいても分かるように、デジタルファブリケーションは、1つのマトリックスにとどまるものではなく、6つのマトリックス全てに、多大なる影響を与える革命だということです。
「NPOが、どんどんものづくりを始め、ソーシャル・インパクトを拡大する」「芸術家が、ものづくりをはじめ、新たに生まれるモノのロングテール(1万個市場)を牽引する」「勉強会やコミュニティーで話していたことを、あっという間にプロトタイプ化してしまう」
こんなことが起こってくるのが、このデジタルファブリケーション革命、メイカーズ革命なのです。
つまり、「インターネット同様、文明構造に多大なる影響を及ぼす革命である」ということですね。