ワイアードの元編集長・Makersの著者、今は3D RoboticsのCEOを務めるクリス・アンダーソン氏が見つめる未来について少し考えてみたいと思います。
3D Robotics社は、DIY(Do It Yourself)のドローンに興味を持つ人が集まるコミュニティーを運営しています。そもそもドローンとは何かというと、自動操縦テクノロジーを備えた模型飛行機のこと。分かりやすいイメージで言うと、「高性能なラジコン飛行機」です。
こんな感じ。
http://www.entrepreneur.com/article/225817
現在のDIY(Do It Yourself)のドローンのマーケット規模は、10億ドルに満たないのですが、3D Robotics社が提供するDIYドローンのプラットフォーム「DIY DRONES」は会員35,000人以上、月間のPVは200万を超えると言います。
そして、ワイアードのクリス・アンダーソン氏へのインタビューによると、3D Roboticsは今年1,000万ドルの収益を得て、毎年140%の成長を見せているとのこと。無料のコミュニティーをネット上で運営し、ドローンやその部品などを販売して利益を得るモデルです。
彼は、「我々はプラットフォームを販売している」という表現を使っていますが、これを聞くとローカルモータースのモデルを思い出す人も多いでしょう。
ローカルモータースは、エンジニアやデザイナー、自動車ファンが集まる「Forge」というコミュニティーを運営しています。ここで皆で車を設計し、実際の組み立て販売をローカルモータースが行うのです。いわゆる、クラウドソーシング&オープンイノベーションモデルです。
現在、DIYのドローンもかなり性能が上がってきおり、今後はロボット技術や情報技術の更なるの進化とともに加速的に進歩していくことが予想されます。
今現在、無人航空機は1980年代のパソコンと同じ段階とも言われますが、いずれは「空飛ぶ人工知能ロボット」が、世界中を飛び回る日が来る可能性も大いにあります。
ちなみに、現在アメリカではこの無人飛行機の「商用利用」は許可されていません。利用が優先的に認められるのは、警察や消防、あるいは国境警備局などの政府機関です。
しかし、2015年秋以降までに法整備がされ、商用利用も解禁されていくという話題があがってきています。そしてこの可能性はかなり高いと踏んでおく必要があるでしょう。
無人飛行機が生み出す巨大市場
photo credit: Chaval Brasil via photopin cc
ここから分かるように、ドローン市場の拡大は、ロボット開発、ソフトウェア開発、更に宇宙開発、またサービスで言えば、警備や大規模農場での利用、輸送関連事業にも大きな影響を及ぼしていく可能性があります。
また最近「初の大陸横断飛行へ、太陽光エネルギーだけで飛ぶ『ソーラーインパルス』」なんて言う記事も出ましたが、小さなドローンであれば、今後太陽光のエネルギーだけで飛ばすことが普通になっていくのかもしれません。
クリス・アンダーソン氏は、このような「空の産業革命」を見つめ、3D Robotics社を経営していると思われます。
いずれにせよ、日本も大注目するべきトピックです。