地域経済復活の鍵!?ローカルモータースから未来の自動車産業を考える

[2012/10/31]
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自動車産業にも、今新たな革命が起き始めています。

今までの自動車会社と言えば、資本集約型の大量生産モデルであり、何十万台の車を一挙に生産し、ディーラーを通してお客さんに販売するというモデルでした。

しかし、米国アリゾナ州にある「ローカルモータース」は全く違う形で自動車が作り、販売しています。それは、エンジニアやデザイナー、自動車ファンが集まるインターネットコミュニティーの中で、皆で一緒に自動車を作っていくのです。そして、ほとんど在庫を持たず、買い手が頭金を支払って製造予約し、その後に部品が買い付けられ、一式を組み立てるのです。

また、ローカルモータースは、自動車会社でありながら生産ラインがなく、キャンピングカー倉庫を改装した工場で、自動車が1台1台楽しそうに作られていきます。もちろん、デジタルファブリケーションを駆使して。

ちなみに、こちらローカルモータースの工場の外観。うん、工場というより本当に倉庫っぽいですね(笑)

http://www.audistyleracing.com/car-prep/a-fun-weekend-testing-the-lemon-with-nasa-az-at-firebird-international-raceway/
工場の中はこんな感じです。車好きにはたまらないかも…。


http://www.autofieldguide.com/blog/post/local-motors-automotive-30

ローカルモータースのWEBサイトには、たくさんの車の企画・製造コミュニティーが立ち上がっています。

例えば、次のような軽量スポーツカーの開発コミュニティーの中を覗いてみると…

「こんなダイヤ型のヘッドライトはどう?」と提案されています。

そこに対して「いいね!」をつけたり、感想、質問などが飛び交っています!

すごい!本当にすごい…。車が皆の力でWEB上で開発されていく姿、感動的です。自動車でこれができてしまうのであれば、多くの製品でこのような生産方法が可能でしょう。

ちなみに、こちらが世界初!ローカルモータースのオープンソースで作られた自動車。戦闘機にヒントを得てデザインされたのオフロードカー、ラリーファイターです。

この製造工程を考えていただいても分かるように、ローカルモータースの車は、価格が決して安いわけではありません。ちなみにラリーファイターは7万5千ドル。大量生産で作る車よりは高くなるというところは考慮に入れておかなければなりませんね。

しかし、価格の部分のデメリットを考慮したとしても、全体のメリットの大きさから、十分に自動車業界の産業構造を変化させるインパクトを持つことでしょう。

地域内循環経済の推進にデジタルファブリケーションを 

photo credit: blmiers2 via photopin cc

ローカルモータースの名前は、いつか自分たちの小さな工場(マイクロファクトリー)がコミュニティーメンバーの住む様々な地域に分散され、地元のディーラーとしての機能も果たすようにと願いを込めて名付けられたそうです。 ローカルモータースの車は巨大な工場ではなく、顧客がその場所に近い工場で注文に応じて作られていきます。

「地域内循環経済の推進」は、世界中、日本中の多くの地域が検討・模索をしているところです。地域特性を活かした生活必需産業は、その地域が担って欲しい。それが多くの人の願いでしょう。

ちなみに、この地域内循環経済の推進を政策目標として具体的に掲げている日本の自治体があります。それが人口10万人の都市、長野県飯田市です。こちらは「経済自立度」という数値であらわしています。

経済自立度は、地域に必要な所得を地域産業からの波及効果でどのくらい満たしているか?という数値です。つまり、地域産業からの波及所得額を地域全体の必要所得額で割った数字です。

飯田市の発表によると、平成22年の経済自立度は、47.7%、H23年の経済自立度は、46.7%となっています。目標値は70%としているようですが、例えば、ローカルモータースのような会社が地域に存在し、自動車産業を地域内で循環させることができればどれだけ良いことでしょう。経済自立度にも好影響が与えられることでしょう。

更に今後、複雑なシステムが少ない電気自動車の時代になると「地域内循環経済を担うデジタルファブリケーションによる自動車産業」の可能性は益々高まってきます。

今、私たちに問われている課題の1つは、これらの産業構造の転換を、どのように地域によい形で落とし込んでいけるか?デザインしていけるか?というところでしょう。地方自治体、地域の中小企業、NPO、個人は、是非このデジタルファブリケーションの流れを捉えていって欲しいと思っています。

 

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