ハンドメイドマーケットプレイス大手のEtsy内でのコラボレーション事例をご紹介。
手作りのフェルトおもちゃを販売する人気ショップ「ガーデンバーディー」のチェイス氏は、こちらのようなかわいい手縫いのおもちゃを1つ製作するのに2時間から4時間をかけていたそう。
一方、製作にかけられる時間は子供達の寝ている夜の時間だけ。よって、1日のうちにかけられる時間は非常に少ないものでした。
注文はくるけど、時間がなくて受けられない…という状況を打破するため、同じようにEtsyに出店している「フェルトオンザフライ」のジャネット氏に、「フェルトとそのカット」をお願いするようにしたとのこと。
チェイス氏がPDFでデザインをジャネット氏に送り、その形に切ってもらったフェルトを送ってもらうというコラボレーションをして、製品を作るようにしたそうです。
結果、チェイス氏は、商品作りの30%〜50%の時間を削減することができ、デザイン、縫製、刺繍、詰め物の作業に集中することができるようになりました。
こちらは、モノづくりにおける個人間のコラボレーション事例。今後、このような事例が増えていきそうです。
21世紀型のバリューチェーンをデザインする
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来年2014年は、ハンドメイドマーケットに大きな注目が集まります。
これまでのサプライチェーン構造の中では、デザイナーに払われるお金というのは、工場が実際に作る3%程度と非常に少ないものでした。
作った工場は、作った価格の約3倍の値段でメーカーに売り、メーカーは販売価格の50%前後の価格で小売業者に卸します。結果的に、規模の大きな工場やメーカー、小売店が大きなマージンを得る構造であったわけです。
この平かなサプライチェーン構造が次のように変わります。
デザイン、製作、販売までが、「バリューメイキングプロセス」として高度に一体となります。
それは、昔のような地域で素材を調達し、自分で全ての工程を作り、地元で小さく販売するとった手工業的な時代が懐古的に戻ってくるわけではありません。
クラウドソーシングやデジタルファブリケーション、時にクラウドファンディングなどを利用しながら、コミュニティーやブランド構築を行っていくという新しい手工業モデルです。
これらをどのようにデザインするか?が経営となり、この新しいバリューチェーンの構築こそが、個人、チーム、小さな組織にとって重要な課題となります。
また企業も、バリューチェーンを根本的なところから再構築することが必要となるでしょう。
2014年は、これらの様々な事例が登場する楽しみな1年となりそうです。
【Social Design Newsから本が出ました】
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」