自営業者、フリーランスなど独立した労働者のGDPが1兆1700億ドル(約117兆円)を超え、米国において無視できないインパクトを持ちつつあるとのこと。
とは言え、総GDPが15超ドルを超えるアメリカなので、まだ10%までは到達していません。しかし、今年ひょっとするとこの大台を突破してくる可能性があります。
そして、2020年には独立した事業者が総労働人口の50%を超えるという予測は、もっと速い段階で訪れる可能性が高まっており、労働マーケットに関係する企業は、様々な対応に迫られつつあります。
今回は、フリーランスの支援を行う米国MBOパートナーの「2014年の労働環境における3大トレンド」についてご紹介。労働環境の地殻変動は、もはや誰にとっても重要なトピックとなりつつあります。
さて1つ目は、「企業は、社外のエキスパートを採用することが増える」ということ。クラウドソーシング利用も含め、そのトレンドは益々拡大していきます。
2つ目は、「会社は、親ではなくパートナーとなる」。年金や保険に関しても、個人として契約する人が増えていきます。
3つ目は「自分を守るためフリーランスや自営業を始める人が増える」。一人起業を支援する産業が成長していきそうです。
最近、日本においてもクラウドソーシングで調達できるような人材が、中途採用マーケットから減少傾向にあるという話も聞きました。
そして昨日ランサーズさんが、企業向けのクラウドソーシングコンサルテーションサービス「ランサーズ for Business」をローンチしました。確実に日本においてもこの傾向は強まっていきそうです。
2014年、パラレルキャリアは主流になる
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リクルートワークス研究所の「2015年予測。〜どうなる人材マーケット。こうなる〜」において、2015年の正社員の比率は45.2%となるとされています。正社員という労働形態が、良い悪いという評価は別として、マイノリティーになっていくことは間違いありません。
2018年、2020年と正社員比率が増えていくかと言えば、その可能性は限りなく低く、更に劇的に減少していく可能性の方が高いでしょう。当然、オリンピック需要などによる国の政策に影響を受ける可能性はありますが、大きくこのトレンドがぶれることはありません。
新しい働く生態系が、地殻変動のように音を立てて、しかし自己規律を保ちながら、進化しているのです。
結果、2014年から2015年にかけてパラレルキャリアが主流として認識されるようになると思っています。
「副業」や「起業」など一部の人達に支持されるようなものではなく、「パラレルキャリア」は広く大きく一般に広がります。つまり、いくつもの仕事を持つことがもはや普通になっていきます。
多くの人は、労働環境の劇的なシフトに対して、座して待つことはできません。私たちは誰もが、新しい働き方に向けて動き始めるべきタイミングに来ているのです。
【Social Design Newsから本が出ました】
働き方は無限大。
組織や事業の寿命よりも、人が働く時間のほうがはるかに長くなった現代。
テクノロジーの進化と人々の価値観の変化によって、「働き方」が大きく変わりつつある。
メイカーズ、クラウドソーシング、クラウドファンディング、ソーシャルスタートアップ……「仕事の未来」には、無限の可能性が広がっている。
あなたは、どの働き方を選びますか?
さらなる進化を遂げるテクノロジーと新たな時代の価値観が出会ったことで、
これまで考えられなかった(あり得なかった)ような働き方が可能となった。
今、私たちの目の前には、数限りない働き方が存在する。
私たちは、自らの働き方を自分で選び、実行していかなければならない。
それが、本書の言う「ワーク・デザイン」である。 ――「はじめに」より
本書では、これからの働き方の新構造を次の7つのステージで捉えた内容となっています。
・新しい「働く」の価値観
・消費社会から生産社会への潮流
・ワークプロセスの文明的大転換
・組織形態の変化
・キャリアデザインについて
・タスクデザインについて
・これから必要とされる個別スキル
現在の「働く構造の進化」は、各ステージをバラバラに見ても分かりません。7つの構造全体を体系的に捉えることで、始めて進化の本質が見えてきます。
Amazonの「なか見検索!」で一部内容を読めるようになっていますので、ご興味のある方はこちらからご確認ください。【書籍】ワーク・デザイン これからの働き方の設計図
※ライフハッカー[日本版]で本書を大きく取り上げていただきました。
「いま、新しい働き方『パラレルキャリア』が重要だ、と言える理由」