超高齢化社会の中で、生涯教育をどのように実現していくか。
シカゴにある大学・シャイマーカレッジ。幅広い教養を得るためのリベラルアーツを主体とした学校ですが、60歳以上のシニアに無料で講義を解放し始めました。
Shimer College opens its classes to senior citizens for free
シニア層の生涯学習の拠点になるのと同時に、若い学生にも刺激を与えることを目的としています。発言や議論の中に、シニアの新たな視点を取り入れること。思考を広げ、深め、幅広い人とのコミュニケーションをとれる人材へと若手が成長することを期待しています。
ちなみに、米国テキサス州の全ての公立大学において、55歳以上の授業料が削減されているようですね。今後益々、シニアの生涯教育の拠点として、大学が再定義されていきそうな予感。
日本においても、これからの大学の役割を考える際にヒントにして欲しい事例です。
未来を生み出すことのできる大学へ
PHOTO: book and glasses from Shutterstock
大学では、専門分野の知識やルール、歴史について学ぶことはもちろん大切。
しかし、これから求めていくことは、現実社会で価値を創造していける教養です。もちろん”専門学校化せよ”という話しでは全くありません。学生が何か具体的な動きをもって、そこから思索を深めるというプロセスが必要だと思うのです。
例えば、先日、ある大学で授業で「クラウドソーシングのコンペ」に学生が参加するという講義が行われました。学生にとっては、社会に対して自らの力を測る良いチャンスになったと思いますが、クラウドソーシングが広がった社会を深く思索する体験になったことは間違いないでしょう。
ただ教授の話しを一方通行で聴く授業だけではなく、これからの大学は、”自らの未来をより深く思索できる大学”であって欲しいと願います。