ガソリン代をどのように算出し経費とするのか。この面倒臭さに頭を抱え、もういいやと投げ出して、経費にすることを諦める人も少なくない。
米国では、22兆5,000億円以上の金額が、仕事における自動車の交通費、つまり経費となっているが、これらを的確に算出する手間は大きい。
自営業者やフリーランス、コンサルタントや営業を仕事をとする人の多くは、プライベートと仕事、両方において1台のクルマを利用する。しかし、どこまでがプライベートで、どこまでが仕事かを、説明することは容易ではない。
米国発の「MileIQ」は、そんな問題を解決するために作られた、マイルトラッキングアプリだ。いつ、どこからどこまでこのクルマで走ったかのかを自動で記録してくれる。
記録したデータはクラウドに保存され、いつでもそれをPCやスマホでダウンロードすることができる。もちろん、駐車場代や高速代も記録でき、結果、仕事で利用した交通費は一目瞭然で追跡・確認することができるのだ。
最初40回のドライブは無料で、それ以降は、月額5.99ドル、もしくは年間契約で59.99ドルを支払う。それだけ支払っても、車をよく利用するビジネスマンにとっては十分支払う価値のあるサービスとして注目を集め、昨月10月には、300万ドルの資金調達もした。日本においても、可能性の高いサービスだ。
これからの働き方を支えるインフラの夜明け
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社会は、今、新たな夜明けの段階にきている。そして、この夜明け前こそが最も暗いことも事実である。
一方で、その暗さが分からないほどに、私たちの生活は人工的な街灯に照らされている。しかし、その街灯が照らす道に、これからの軌道が本当にあるのかどうかと疑問を感じる人も多い。
その例の1つは、雇用に関するものだ。働き方への注目は年々高まっている。その本質は、これまでになかったような新しい働き方のモデルについての模索である。2014年は、日本においても、”新しい働き方元年”と言える年となった。クラウドソーシングの取り上げられ方の大きさや関連企業の上場ニュースは、世間を賑わせた。
しかし、これはまだまだ序章に過ぎない。この働き方における文明的進化は、インターネットという世界観の中のみで繰り広げられるトレンドではないのである。
そのことが、明確に分かり始めるのは、来年だ。MileIQのような働き方サポート系のサービスは、より明瞭な光明を以て、社会に認知される。大きな額を集めるサービスとそれに関連する話題は、跡を絶つことはないだろう。
日本においても、これらの動きは、山をせせらぐ小川ではなく、一級河川、つまり主流として認識されていくことになるのである。