テクノロジーの進展は、寄付にも新たな潮流を生み出す。
「Commonpence」は、英国のデザイナーが開発した寄付プラットフォームで、非接触型のICカードやクレジットカード、またNFCスマホで気軽に寄付を行える。
一度タップすると、0.5ポンドが差し引かれ、指定の慈善団体に寄付される。
このシステムは、ワイヤレスで、持ち運びも簡単。人が集まるイベント会場や駅など様々な場所に設置し、寄付を促進できる。ここ数年、インターネットを中心に、日本における寄付文化も確実に進展、成熟してきたが、このような取り組みは、また新たな寄付文化を作るキッカケとなるかもしれない。
“1つの動作で寄付”の新たな潮流
PHOTO: Entrance of railway station from Shutterstock
ワンクリック募金から始まった”ネットで寄付”の潮流は、インターネット市民に広く普及した。ソーシャルメディアで「応援よろしくお願いします!」の投稿やシェアは、誰のアカウントにおいても、もはや珍しいことではない。
これからも、ネット上で気軽に応援・寄付をする仕組みは、地道かつ着実なる活動として根強く定着していくことだろう。
一方で、リアルにおける寄付モデルは、昔からあまり変わっていない。その一番の例は、お店のレジ前に置いてある寄付箱だ。もらったおつりを、財布に入れる動作の延長で、小銭を寄付するというもの。
今回のCommonpenceの事例のように、全く違ったリアルの導線で、寄付を加速させるモデルの進展はこれからである。例えば、電車の改札で、スイカやパスモなどを接触させるその先に、寄付システムが設置されていたらどうだろうか。
人間が持つ細やかな瞬間の意識を”応援”につなげるシステムは、社会に広く張り巡らされていく。