3Dプリンタを震源とする地響きは、その影響を各業界へと広げ続けていく。
木材を3Dプリンタの材料にするという動きは、これまでも追ってきたが、その展開は益々幅広く面白くなっている。
【参考】
・可能性はどんどん広がる!3Dプリンタの材料に「木」も登場
・日本から世界初!工業用ハイエンド3Dプリンタの木質材料「ウッドライク」
クラウドファンディングサイトindiegogoにて、ポーランドのデザイナーが木の素材を利用した3Dプリント腕時計を投稿している。
本格的な機能を持った腕時計であり、その重さは44gと軽量。そのデザインは、ナチュラル系を支持する人ならずとも惹かれるものとなっている。
3Dプリンタを使って製作するための時間は、約5時間ほど。また気になる価格は120ドルだ。
3Dプリンタで何を作って販売するべきか?という問いに、この事例は、興味深い示唆を与えてくれる。
地元の素材だけを使うメーカーの潮流
高品質なアウトドアウェアを販売するTHE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)が限定販売した「Backyard Hoodie」。
こちらは、半径150マイル(241キロメートル)以内の素材で作った衣類である。地元の素材のみを利用するというところに、大きな支持要素がある。
先日、長野で地域に根ざした環境系NPOの理事を務めておられる方と様々な話をしていた。そこで、こちらの取り組みの話をしたところ、「例えば、県内の素材のみで作った服ブランドがあったなら、私は絶対買いますけどね。是非、こういうメーカーがたくさん生まれて欲しいなぁ」という反応をされていた。
地産地消と言えば、これまで食品などに限定されていた。しかし、衣類のようなものでさえ、今後は可能性が出てくる。また、今回ご紹介したクールな腕時計のようなものでも可能となっていくのだ。
ちょっとした気合いさえあれば、私たちがチャレンジできることは、本当に多くなっている。そしてそのチャレンジは、成否を問わず、次の経済社会の肥料となり、その土壌を支え続ける。