OECDの調査により、ここ30年で世界の経済格差は過去最大にまで広がっていることが明らかになった。「多くの国での既存システムがすでに機能していない」との言は、私たちの心に迫り来る。
さて、オーストリアに立ち上げられたホテル「Magdas HOTEL」は、社会貢献型のホテルだ。若い難民を受け入れ、住居と食事、そしてホテルの仕事を提供する。
ホテルの宿泊客は、そういった問題を支援するだけでなく、苦難に直面しそれを乗り越えていこうとする人々と接するで、学びを得、勇気ももらう。
Airbnbを利用する宿泊客が望んでいることは、その地域のカルチャーを学ぶこと、またホストとのささやかなコミュニケーションである。宿泊におけるニーズも、これまでにように単に便利さや心地よさだけが問われる時代でもなくなってきている。
人間にとっての幸せとは何なのか?その問いから広がる価値観の変化は、宿泊という領域にまで影響を与えている。
その底流の変化の中で、いよいよMagdas HOTELのような社会貢献型の宿泊施設にも、多くの人が目が向けていくことになりそうだ。例えば、Airbnbで提供される部屋にも、”その地域の問題を知り、解決の一助となるための部屋”というのが登場してきてもおかしくないはず。
その地域の歴史と抱えている問題について分かる本が部屋に置いてあり、宿泊金額の数%がその問題を支援するNPOに寄付されるといくというのもいいだろう。
いずれにせよ、世界は今や運命共同体である。情報革命が世界を1つに包み込もうとする中で、宇宙船地球号はもはや彼方の理想ではない。もうそれは、今現実になっているのだ。
「誰かの苦しみの上に、自分たちの幸せを築き続けることはできない」そんな当たり前のことをもう一度、世界が意識し始めていく。
【クエスチョン】
・「社会貢献型の宿泊施設」をコンセプトに、これまでにないアイデアを考えてみよう!