こんな風景を見たことはないだろうか?少し前まで賑わっていた商店街は、シャッター通りに。なにもない空き地だったところに、ショッピングモールが建設され、人々が集まる。
都市は、まるで生き物のように変化する。未来の都市は、私達にどんな姿を見せてくれるのだろうか?
今日は、世界中の最新のエコプロダクトから見えてきた未来の都市の在り方をご紹介しよう。
1 森に住むコトが当たり前になる住宅
自然と調和したデザイン「OAS1S」を発表したのはオランダ人建築家のRaimond de Hullu氏。現代生活のニーズを満たしつつも、環境を壊すことなく居住することができる。
この全体の輪郭から、アートの雰囲気さえも漂う。
建材はもちろんリサイクル木材。壁にはグリーンカーテンを使用することで酸素を供給しつつ、家の温度を適切にコントロールできる。高さも4階建てで12mあり、窓から森の表情を眺めることも可能。
もう1つ注目したいのが住宅の配置。1つに固まる集合住宅の発想から、森の中の木のようにランダムに配置することで、住民同士の快適なスペースが確保できる。
現在「OAS1S」ではこのコンセプトに共感し、協力してくれるパートナーと土地を探している。
2 思わずリサイクルしたくなる自動販売機
自動車メーカー「フォルクスワーゲン」がロシアでユニークな自動販売機を設置した。「Think Blue」と名付けられたこのキャンペーンは、ロシアで大量に不法投棄される電池を解決したいという思いから出発した。
仕組みは至ってシンプル。使い終わった電池を自動販売機にお金の代わりに入れることで、地元で売られている商品やミネラルウォーター、Tシャツ、ストレス解消グッズを手に入れることができる。
設置後、1ヶ月で1台約8,000本(1日あたり約266本!)を集め、継続的に設置されることも決まった。
リサイクルを楽しみながらできる仕組みが、未来の都市にはあふれているかもしれない。
3 野菜もエコに保存する画期的方法
カナダにあるモントリオールのデザイナー集団「La Denise」が、野菜やフルーツを冷蔵庫に保存せずに新鮮さを保つ方法を開発した。冷蔵庫の温度が、野菜にとって適切な温度ではないことを発見した彼ら。
各コンテナに置く野菜は決まっており、砂やセラミックなどを使い湿度と温度をコントロールしている。
電気を使わずに保存し、しかも新鮮に保てることで食品廃棄を減らすこともできる一石二鳥のプロダクトだ。現在Kickstarterにて支援を募っている。
4 湿気で発電する最新科学がたどり着いた発電方法
まったく新しい発電方法が、コロンビア大学研究員Ozgur Sahin氏によって開発されようとしている。現代の発電はいずれも「熱」を電気に変える構造だ。湿気で発電できるとは一体どういうことだろうか?
仕組みはこうだ。彼らは人間の体内や土壌にいる特定のバクテリアが湿気を吸うことで、バクテリアが大きく膨らむことを発見した。このバクテリアをポリマー紙に培養し、曲げた状態で置いておく。
湿気を含ませるとバクテリアが膨張し、ポリマー紙を伸ばそうとする。その力を活かして車輪を回す仕組みだ。
現時点では、実験段階のレベルだが、実用化に向けて研究しているとのこと。もし実現すれば除湿機を除湿したその湿気を動力にできるかもしれない。
5 大気汚染を解決しながらダイヤモンドを作る未来産業
巨大なタワーで大気から炭素を取り出し、そこからダイヤモンドを作ろうとしているのはオランダ人デザイナーのDaan Roosegaarde氏。
病院などで使われる空調技術を活かし、都市全体の大気から巨大なタワーを通して、炭素を取り出していく。
最後に取り出された炭素を、ダイヤモンドに加工するだけ。
Somg Free Projectと名付けられ現在Kickstarterでも支援を募っている。オランダで始め、その後はインドや北京、メキシコなどでも展開予定だ。
都市は人々に手によって変わり続けてきた。未来の都市の在り方は紛れも無く、私達の手に委ねられている。
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小檜山 諒
沖縄県在住フリーランスキュレーター。世界中のオモシロイ!刺さる!ハッとする!動画やプロダクトを集めています。あなたのモノの見方が変わるような記事を書いていきます。よろしくお願いします!