世界的アートディレクターが語る「アイディアの極意」とは?

[2017/10/18]
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2011年、たった10人の環境団体OroVerdeが行った募金活動がRed dot design賞やCaples Awardsの2部門で賞を獲得。さらに世界3大広告賞のカンヌライオンズ広告祭でもシルバーを受賞するなど世界的に話題になりました。協力したのは世界的広告エイジェンシーのOgilvy & Mather社。

街路樹を人に見立て、メッセージを書いたダンボールと小さな缶の募金箱を持たせる。

シンプルなアイディアで募金だけでなくSNS上でも話題を集めました。

今回は、発案者であるOgilvy & Matherフランクフルト支社のシニアアートディレクターSergej Chursyn氏にアイディアの源から広告の未来まで話を伺ってきました。

小さなつながりを見つける

ーー率直にお聞きしますが、どうやって思いついたのですか?

Sergej氏:よく聞かれる質問でシンプルではあるんだけども、OroVerde側からオリエンテーションしてもらっている時は、ちょうどこちら選挙の時期で、外灯とかに「選挙ポスター」を掲げるんですね。

外灯がポスターを持っているように見えたので、最初は外灯に募金箱とポスターをぶら下げることを思いついていました。

いろいろ試していく中で「街路樹」に目を付けたんですね。これで何かできないかなと。 試作品を作ってディレクターに持っていったところ、一発OKでした。

コミュニケーションにお金をかけなくていいし、しかも作るのが簡単、木とのつながりも感じられる。

いつも見ているけどみんなが気づいていないシンプルなつながりを探しているんだ。結果だけ見るとすごく簡単そうだけど、この小さなつながりが「違い」を作っていると思う。

私は、なんでこんなシンプルなのに思いつかなかったんだろ?というようなアイディアが好きなんだ。

ーー行政などの許可も取ったのでしょうか?

Sergej氏:ええ、ドイツでは何をやるにしても許可が入りますよ(笑)フランクフルト市へパワポでプレゼンをして、木を傷つけることはしないこと、キャンペーンが終われば綺麗に外すことを写真やストーリーボードを使って説明しました。

ケルンにあるクリスマスツリーでもやったりしましたね。 現在は小学校や幼稚園で環境教育の一環としてもこのアイディアは使われていて、子どもたちが絵を書いたり小枝などを使ってボードを作っています。

フランスやデンマークから問い合わせもあって 同じようなアイディアでやっているはずです。

ーーキャンペーンで苦労したことがあれば教えてください。

Sergej氏:そんなになかったかな?行政へもうまく言ったし、しいて言えば準備かな?ダンボール集めて、書いて、枝を貼り付けて、缶を準備してとか些細なことです。

広告は「広告」でなくなっていく

Sergej氏:今はいろんな議論があるけど、商品を売るためというよりはコンテンツを作る、商品の世界観が伝わるコンテンツを作ることが大切。

例えばベルリンではコカコーラ社のYoutubeチャンネルをサポートしているけど、商品を売るというよりはブロガーやYoutuberを使ってライフスタイルとかTipsを伝えている。いろいろなコンテンツを配信して、 ターゲットのお客さんを巻き込んで楽しめるような エンターテイメントに近いかな。

あと、正直言って大半の広告はだめですね。例に上げるとYoutubeで映画の予告編を見たいと思って再生したら、別の予告編広告を見て、いつの間にかまた別の予告編が始まって、と 混乱しますよね。

こっちはそんな風に思ってないなくて、60%くらいはミスタッチだったとしても、よし広告が見られた!完璧な広告だ、やったー!みたいなね(笑)

僕の上司か、誰が最初に言ったか分からないんだけれども、クリエイティブな人やエイジェンシーは「NEWS番組の間に流れるテレビCMを作るのではなく、NEWS自体を作ること」って言葉があって 、 そうすればメディアがアイディアを広めてくれる。何百万という人にコストを掛けずにリーチできるんだ。

——————-

普段はお昼休みにジムに行って運動をしているSergej氏、仕事とは別のコトに集中することで健康にもいいし、午後からまた頑張れるのだとか。シンプルなアイディアを作る秘訣は頭の運動だけではなく、身体の「運動」にも理由があるのかも。


 

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ライター&キュレーター

小檜山 諒 フリーランスライター&キュレーター

 

 

世界中の面白いアイディアを集めたブログを運営中。「問いが変われば、答えも変わる」を信じて、アイディア発想など研究しています。ハッとさせられるようなアイディアが大好物。アイディアデザインコンサルタント。モットーは「LESS IS MORE」

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