ビジネスも家族もあらゆる活動が、トップダウンだけでは
進みにくい時代となっています。
一部の人の意見のみを尊重し、一部の人だけが大きなメリット
を受けるということは「かっこわるい」と思われる時代に
なりました。
これは、本来の理想の形に近づいているとも言えます。
「皆で共に進んで行く」「皆にメリットを分配する」ことが
かっこいい、とされる時代です。
そこで大事なポイントは、企業内やチーム、そして家族に至る
まで、多くの人間の「合意形成」を得ていけるかどうか
ということです。
例えば、多くの人を巻き込むソーシャル・チェンジを進めるに
しても、企業経営者、自治体の首長、大学の研究者、2人の
子供を育てる主婦では、視点は異なります。
しかし、その方々の合意を得ていかなければ、えてして進まない…
ということが、この時代多くあります。
今回は合意形成の際、重要なポイントについて書きます。
・情報を共有すること
情報には、テーマに関する客観的情報、そしてお互いの話し合いの中
でできた意見やその流れ、文脈に関する情報があります。これらの
情報をできる限りオープンにし、みんなが理解できるようにすることが
まずは大切です。
・多様な考え方の存在を認める
人にはいろいろな立場や社会的背景、育った環境や信条があり、意見が
異なることは当たり前です。それらを認め、まずは受け止める器を持つ
ことが大切です。まずはうなずき、肯定からコミュニケーションを進める
ことが大切です。
・強い主張の根底に潜むアイディンティティーを感じること
ある人から表明された強い意見の中には、その人の存在意義に関わるほどの
重要なものがある場合があります。それを単に、直球で否定したり、聞き
流すと、合意形成が難しくなります。なぜなら、相手が聞き手のことを
感情的に受け入れたくなくなるからです。相手の強い主張の中に潜む、
アイディンティティーを感じ取り、共感できるように努力することが大切
です。
・お互い納得できる解決策を恊働で見いだすこと
合意形成が難しい場合、陥りがちな状況が、二者択一的状況になっている
場合です。そういった場合1つ上の次元から考えると、その両方を内包
する案が浮かび上がることがあります。
そして、多くの人がその両方を内包する案を探すプロセスの中で、建設的、
創造的に参画する実感を持てるようになります。そこから見いだされた
解決策は納得と実効性がはるかに高まったものになります。
以上の4つです。
そして、これら4つを貫く考え方は「相手を思いやること」ですね。