イギリスの大手新聞社であるガーディアン。インターネットを利用した革新的なチャレンジを続けていますが、また面白いサービスを開始しました。その名も”GuardianWitness“(ガーディアン目撃者)。
上の動画で示されているように、コンセプトは「クラウドソーシングニュースサイト」です。スマホなどの手持ちの端末から、テキスト、写真、動画ですぐに投稿できます。
また、「マーガレット・サッチャーの葬儀」、「シリア難民」など、ニュースのテーマボードがあります。それぞれのボードには期間が表示されており、見た目はクラウドファンディングサイトのよう(笑)
各ボード内も、投稿ニュースはPinterest型のインターフェイスで並んでおり、クリックすると次のように開きます。視認性が高いですね。
GuardianWitnessは、以前立ち上げた「n0tice.com〜あなたの近くに何が起こっているか?の質問に答えるのプラットフォーム〜」 の技術使用して構築されたとのこと。ちなみに、こちらがn0tice.comのイメージ動画。面白い。
Explaining n0tice from Mentally Friendly on Vimeo.
インターネット社会におけるメディアのあり方が世界中で試行錯誤される中、近年英国では、「タイムズ vs ガーディアン、有料化 vs 無料化」の対決がありました。結局、ガーディアンも有料化を始めたわけですが、GuardianWitnessのような革新的な動きを続けています。
これは言って見れば、ニュース報道を強化するために、クラウドソーシングジャーナリズム(群衆による情報素材の提供)をうまく活用していこうという取り組みです。
Social Design Newsもオンラインコミュニティーを作り、そこから紡ぎ出される情報をうまく発信していけるような、クラウドソーシングニュースサイトへと進化していきたいと考えているのですが、今はちょっと手がまわっていません。いずれかの段階で、それを導入していきたいと考えています。
メディアの理念が問われる時代
photo credit: Thomas Hawk via photopin cc
インターネット社会において、「リアル情報をスピーディーに発信していく」という点については、どうしてもソーシャル・メディアやこういったクラウドソーシングニュースサイトには勝てません。
また、メディアには、それぞれの特色があり、そもそも強みと弱みはあるものです。しかし、このようなクラウドソーシングジャーナリズムが一般普及していく社会において、それを前提においた「立ち位置」を今一度、明確に示していくことが重要でしょう。
そういった意味では、それぞれの「メディアの理念」が問われている時代とも言えそうです。「なんのため?」というところを含めた、そのメディアの底流に流れる価値観・哲学を、読者は敏感に察知していくことでしょう。
そして、その理念に基づいて、私は次のような視点でSocial Design Newsの価値を高めたいと思っています。
・情報の考察及び体系化、パッケージ化
・感情を動かす物語性
・コンセプチャルスキル(概念化における本質の洗い出し)に基づいた切り口の創造
・議論のための議論ではなく、価値ある「行動」に結びつけられるような設計
・ニュースの芸術化
時代は、本格的なメディア革命時代へと突入しています。